REPORT●中村ブンコ(NAKAMURA Bunko)
マツダが展開している、ロードスターレストア事業。対象となるのは初代1600ccのNA6CEで、無事故、修復歴なしであることが条件です。ノーマルであること=オリジナルの乗り味、パッケージングをひとつの価値としてとらえているからです。そのため新品の純正部品に交換することで、品質を保持します。現場では、どんな作業が行われているのでしょうか。
車体診断の後、すべての部品を取り外します。いかんせん低年式車だけに、ナットひとつでも、できる限りインパクトレンチを使用しないなど、気を使っての作業となります。内装にいたっては、カシメて固定するパートが多いので、ツメを折らないよう温めてから取り外すこともあるとか。折れてしまったらどうするのか?「最初から壊さないように作業します」とはプロ魂! フロントウインドウからドア、ボンネット、トランクetc…ほとんどの部品を新品に交換します。当初は板金作業に対応していませんでしたが、現在は小ダメージの処理に対応できるようになっています。
部品を取り外してみると、ダメな部分が出てくるものです。こうした場合は、ユーザーと相談して対応します。愛車に強いこだわりを持っているオーナーが多いため、勝手に作業に着手するのは厳禁ということです。1台1台異なる症状があるため、その都度、相談しながらレストア作業が進められます。
全塗装でも剥離剤を使いません。マツダではNGとのことで、手作業で落とします。ペーパーを使って面ではがしていくため、下地処理だけでも2日はかかります。
レストアは基本メニューをベースに、エンジンやサスペンションなどオプションメニューも用意されています。オーディオについては、リペアできる業者を探しているところなので、今後ラインナップに加わるかもしれません。
マツダは以前、程度のいい中古車にテコ入れした「リフレッシュビークル」を発売しましたが、ビジネスモデルとして成立しませんでした。しかしこのレストア事業については、「ちょっとずつの利益でビジネスとして長く続けたい」というマツダの心意気で成功するはず!
●基本メニュー(ボデー&エクステリア) 250万円~
・車両診断
・全塗装
・フタ物新品交換
・ランプ/ワイパー等交換
・復刻ソフトトップへ張替
・小ダメージの板金処理
●オプションメニュー 700万円~
A:インテリア
・インパネ
・シート表皮張替
・カーペット交換
B:エンジン&パワートレイン 800万円~
・エンジンOH
・吸排気部品交換
・冷却系部品交換
・トランスミッション交換
・ドライブシャフト交換
・デフ調整
C:シャシー&サスペンション 400万円~
・サスペンション交換
・ブッシュ類交換
・ベアリング類交換
・ブレーキ部品交換
D:エアコン 250万円~
・エアコン関連部品(一部リビルド品)
E:アルミホイール&タイヤ 200万円~
・復刻アルミホイール
・復刻タイヤ(1台分)
マツダオフィシャルWEBサイト:https://www.mazda.co.jp/
NAロードスターレストアサイト:
https://www.mazda.co.jp/carlife/classicmazda/restore/