ともあれ、現在に続く「スペシャルティカー要素を前面に押し出した」コンパクトSUVというトレンドを生み出したのは、間違いなく日産ジュークだろう。
そのジュークが、約9年ぶりに“ようやく”フルモデルチェンジを受けた。
ジュークの最大の魅力とも言えるエクステリアデザインは、完全なキープコンセプトだ。
初代にあったうねうねとしたフェンダーラインが直線基調でスッキリとしたものになり、初めて目にしたときの衝撃度は明らかに薄らいだ感があるが、これはデザインが高く評価された車種の後継モデル開発において避けられない悩みで、「進化」と「既存の顧客の嗜好」の双方を満たすべくデザインしたであろうことを考えると、落ち着くところに落ち着いたという印象だ。
ボディサイズは全長が4210mmで、先代比+75mm。全幅は1800mmで+35mm。全高は1595mmで+30mm。ホイールベースは2636mm+106mmと、全方位的にひとまわり大きくなっている。
エンジンは直列3気筒1.0L直噴ターボエンジンで、最高出力117psと最大トルク200Nmを発生する。トランスミッションは6速MTと7速DCTが用意され。、0-100km/h加速は前者が10.4秒、後者が11.1秒だ。
最高速度は6速MT、7速DCTともに180km/hとアナウンスされている。おそらくリミッター介入によるものだろう。
コネクティビティは当然ながらアップデートされており、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応している。車内無線LANによってラップトップ型パソコンやタブレット端末を接続することも可能だ。
また、日産コネクトサービスにより、スマートフォンで車両のロックorアンロック、タイヤの空気圧やオイル量などをチェックすることができる。
さらにジュークとしては初めてプロパイロットが搭載されたこともハイライトだ。高速道路における車線維持機能、ステアリングアシスト、アダプティブクルーズコントロールなどがひととおり備わっている。
また安全機能として歩行者&サイクリスト検知機能付き衝突被害軽減ブレーキ、道路標識認識機能、ブラインドスポットインターベンション(死角に存在する車両の存在を知らせる機能)なども備わる。
新型ジュークは、欧州時間の9月3日にロンドン、パリ、ミラノ、バルセロナ、そしてケルンで同時に発表された。英国のEU離脱で揺れるサンダーランド工場で生産され、各マーケットに順次デリバリーされるという。
気になる日本への導入に関しては一切のアナウンスがない。とはいえ欧州日産の公式リリースには、「欧州およびどこか特定の市場向け」という言葉は見当たらないわけで、期待はしていいだろう。ここ数年、日本市場において日産の新型車の数がめっきり減ってしまったことを考えれば、ジュークを売らなくてどうする、としか思えないのだが、果たして……。
日産ジューク(MT)
全長×全幅×全高:4210×1800×1595mm
ホイールベース:2636mm
車両重量:1192kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:999cc
最高出力:86kW(1127ps)/5250rpm
最大トルク:200Nm/1750rpm
トランスミッション:6速MT
乗車定員:5名
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
0-100km/h加速:10.4秒
最高速度:180km/h
日産ジューク(DCT)
全長×全幅×全高:4210×1800×1595mm
ホイールベース:2636mm
車両重量:1210kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:999cc
最高出力:86kW(1127ps)/5250rpm
最大トルク:200Nm/1750rpm
トランスミッション:7速DCT
乗車定員:5名
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
0-100km/h加速:11.1秒
最高速度:180km/h