アクチュエーターユニットは従来のAWDカップリングと比較して非常に高い耐久性とおよそ15パーセントの重量減を実現しており、軽量で高性能な設計はクラス最高のレスポンスタイム、トルク密度およびトルク精度を備えている。その結果、車両のハンドリング、安定性、トラクションが向上している。カップリングのコアとなるのは油圧の生成と制御を行う、特許取得済の6ピストン遠心制御ピストンポンプ。さらに、統合電子制御ユニット(ECU)とステーターの直径は統一され、効率的な組み立てを可能にすることで、コスト削減とパッケージング改善を実現する。
DCモーターの耐久年数は通常、ブラシシステムとコミュテーターの摩耗により決まるが、BLDCモーターにはローターとステーターの接触がないのでこの欠点が解消されている。トルク伝達が不要な状況で車両がエコモードになると、モーターは完全にシャットオフし、システム全体のエネルギー消費を削減できる。オイルの攪拌によるロスを最小化するために、フリクションディスクパックへの潤滑油の流れを自主的に管理することも可能。
ボルグワーナーが自社で設計したBLDCモーターの高度なストップ/スタート機能により、新世代のカップリングはエコモードシステムを可能にするための中心的な役割を果たしている。システム最適化を実現するモーター制御のアルゴリズムは、ハイブリッド車および電気自動車においてアクチュエーターの新たな用途につながるものと期待されている。
ボルグワーナー・パワードライブシステムズの社長兼事業本部長であるステファン・デメール博士(Dr.Stefan Demmerle)は「ボルグワーナーは革新を続け先端技術を開発することで、性能向上だけでなく高い耐久性を備えた、燃費改善のためのストップ/スタートシステムをサポートしてきました。顧客に競争力のある洗練されたソリューションを提供するという当社の伝統に基づき、この新世代の製品は優れた性能と競争力のあるパッケージング、重量の低減、高効率化を可能にします。また、ハイブリッド車や電気自動車の新たなシステム用にアクチュエーターを導入するためのプラットフォームを提供します」と述べている。