9月3日に発表が予告されている日産ジューク(と目されているモデル。ジュークとは正式には言っていない)。どんなモデルか、希望的観測で予想したが、そもそもジュークについて少し掘り下げてみた。

 現行ジュークは、もちろんこれが初代モデル。スタイリッシュでコンパクトな、いわゆる「クロスオーバー」というジャンルを創出したクルマである。発売が2010年だから、もう9年目を迎える長寿モデルだ。




 いよいよ、9月3日に初めてモデルチェンジを迎えるわけだが、Motor-Fanでは、(だいぶ希望的観測を込めて)予測してみた。

 なぜ、ジュークが日本(10月の東京モーターショー)でなく9月のヨーロッパで発表されるのか? 9月のフランクフルトモーターショーに日産は不参加だから、モーターショーに合わせて、というわけではない。




 では、なぜヨーロッパか。




 答えは簡単である。




 ジュークは、ヨーロッパで受けるモデルだから、だ。

 販売台数のデータを見てみよう。




まずは、ジュークの欧州市場での販売台数の推移だ。




2010  2万2228台


2011 10万1417台


2012 10万1440台


2013 10万6411台


2014  9万7538台


2015 10万2574台


2016 9万8108台


2017 9万1774台


2018 6万8773台


2019(1-7月)3万4483台




 となっている。




では、北米でのジュークの販売台数は?


2010  8639台


2011 3万5886台


2012 3万6358台


2013 3万8157台


2014 3万8184台


2015 2万7121台


2016 1万9577台


2017 1万157台


2018 731台




 である。圧倒的にヨーロッパの方が売れている。2018年の数字を見てわかるとおり、2018年3月には北米での販売を終えている。ジュークのポジションは、キックス(KICKS)が受け継いでいる。

北米でジュークの後継として人気を集めているKICKS(キックス)

これを見ても明らかなように、ジュークは圧倒的にヨーロッパで支持されているのだ。2010年以降を見てみても、マイクラ(日本名マーチ)よりジュークの方が売れている。今年3月には1万496台のセールスを記録し、モデル末期として異例といっていいくらい売れているのだ。




 ジュークの生産は、英国日産のサンダーランド工場。そう、ブレグジット(Brexit=英国のEU 離脱)で揺れる英国工場で生産されているのだ。日産は、サンダーランド工場での次期SUV(エクストレイル)生産計画を撤回して、九州工場で製造すると発表しているが、キャシュカイ、ジュークの生産は続けるとしている。




 とはいえ、英国の状況によっては、合意なき離脱も現実味を帯びている。サンダーランド工場の行方も安泰というわけではないだろう




 また、次期ジューク、アメリカには導入されないと予想する。なぜなら、ジュークの後継モデルあるキックスが好調でよく売れているから。やはりデザインテイストがヨーロッパとアメリカでは違うのだろう。




 では、日本はどうなるか? トヨタC-HR、ホンダ・ヴェゼルなどのライバルに真っ向勝負できるのは、次期ジュークか、それとも北米で人気のキックスか。


 


 欧州で愛された日産ジューク。次期モデルがどうなるか。デザインやハードウェアも興味深いが、そもそもの立ち位置にも注目である。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 日産ジューク ヨーロッパに愛されたクルマ 次期モデルは?