REPORT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)
マツダ3のファストバック専用アクセサリーとして開発された「SIGNATURE STYLE(シグネチャースタイル)」。マツダ3用アクセサリーの中でも特に象徴的なスタイルを提案し、車両をトータルコーディネートするパッケージオプションである。
「シグネチャースタイル」というネーミング自体が初めて採用されたものだが、それはデザインプロセスや販売手法など、マツダにとっての新しい試みを表現した側面もあるのだそうだ。
というのも、シグネチャースタイルのデザインはアクセサリー商品としては珍しいことに、マツダ社内のデザインチームが担当しているのだ。
中国市場向けクロスオーバーSUV、CX-4のデザインを担当した小泉巌チーフデザイナーが監修を務め、引き算の美学とも表現されるマツダ3にパーツを加えるという、一見矛盾したテーマに真正面から取り組んだ。
そもそも後付けする外装パーツのデザインは、車体のどの位置に取り付けるかをミリ単位で明確に定義しなければ、あるべき姿も決まらない。
そのためアクセサリーのデザインが車両デザインに寄り添い、開発段階から社内で情報が共有されることは、得難くも理想的な姿なのだ。ある意味でコンプリートカーをいちから生み出すようなプロセスでデザインされたシグネチャースタイル。マツダ3のデザインと見事に調和しているのはご覧の通りである。
シグネチャースタイルは、フロントアンダースカート+リアルーフスポイラー、サイドアンダースカート、リアアンダースカート、BBS社製鍛造18インチアルミホイールから構成されている。
それぞれ単体での装着も可能だが、通常合計価格が71万9936円となるのに対して、パッケージ価格は49万8000円と、圧倒的にリーズナブル。その価格設定もまた、マツダデザインの信念を保ちながら、マツダ3に上質かつスポーティな魅力を加えるシグネチャースタイルを、ぜひコンプリートで楽しんでもらいたいという想いから生まれたものだ。
他人と同じスタイルでは飽き足らないけれど、マツダ3の惚れ惚れするようなデザインは損ないたくない。そんなわがままな想いに対する理想形を実現することができるシグネチャースタイルは、マツダが自信を持って提案する「もうひとつのマツダ3」と言うことができるだろう。