REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
ヤマハ・TRACER900……1,112,400円
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ヤマハ・TRACER900 GT……1,198,800円
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2014年のEICMA(ミラノショー)で世界初公開されたMT-09 TRACERがこのモデルの原点である。もちろんベースとなったのはMT-09だが、ツーリングを考慮した幅広い走行シーンでの快適性を考慮されて新開発。ヤマハの豊富なバリエーションの中ではスポーツツーリングにカテゴライズされている。
MT-09の派生モデルとはいえ、リヤサスペンションには新設計の専用ロングタイプ・スイングアームを採用。ホイールベースはMT- 09より60mmも長い1500mmになっている。車体寸法もひとまわり大きくシート高は30mmも高い850mm(高い方にセットすると865mm)。フロントにウインドスクリーンが標準装備される関係で車高は255mm も高い1375mm。車両重量も21kg差の214kg とそれなりの重さだ。軽さを武器に鋭い操縦性が楽しめるロードスポーツカテゴリーのMT-09とは、まるで趣の異なるバイクに仕上げられていたのである。
メーカーカタログのキャッチコピーを引用すると「この週末が、待ち遠しい。」とある。確かにガレージに入れた瞬間から、次のツーリング計画に思いを巡らせる毎日が訪れる。そんなシーンが自然とイメージできてしまうキャラクターなのだ。
エンジン、ミッション、駆動系等の諸元はMT-09と共通。高トルクと回転ムラの少ないスロットルレスポンスを誇り、出力特性はスポーツモードのAと穏やかなB及びSTD の3種類から選択可能。トラクションコントロールも制御の強さが2択でき、制御をOffすることも可能である。
多彩なデータ表示を担う液晶のマルチファンクションメーターの左脇には12Vのアクセサリー電源端子も標準装備。ワイズギヤからは多彩なアクセサリーが揃えられ、自分好みの旅マシンに仕上げる楽しみも見逃せない。
ちなみに同GT仕様では、冬季のツーリング時にありがたいグリップウォーマーを標準装備。クルーズコントロールやQSS(クイック・シフト・システム)、他多くの上級装備が奢られている。その内容は下の装備一覧比較に詳しいのでご参照を。
ロマンを感じられる旅バイク
⚫️装備一覧比較
⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)
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⚫️ディテール解説
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◼️主要諸元◼️
認定型式/原動機打刻型式:2BL-RN51J/N711E
全長/全幅/全高:2,160mm/850mm/1,375mm
シート高:850mm(低い位置・出荷時)、865mm(高い位置)
軸間距離:1,500mm
最低地上高:135mm
車両重量:214kg
燃料消費率*1:
国土交通省届出値定地燃費値*2…28.4km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値*3…19.7km/L(クラス3, サブクラス3-2)1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列, 3気筒
総排気量:845㎤
内径×行程:78.0mm×59.0mm
圧縮比:11.5 : 1
最高出力85kW(116PS)/10,000r/min
最大トルク87N・m(8.9kgf・m)/8,500r/min
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:3.40L
燃料タンク容量:18L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S
1次減速比/2次減速比:1.680/2.812
クラッチ形式:湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比:
1速…2.666
2速…2.000
3速…1.619
4速…1.380
5速…1.190
6速…1.037
フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター/トレール:24°00′/100mm
タイヤサイズ(前/後):120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式:(前/後)テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED×2
乗車定員:2名
◼️ライダー・プロフィール