ソーラーカーのボディの設計、成形加工を支援するジーエイチクラフトは、超軽量の乗物構造技術に基づく独自のデザインや成形加工から、構造物評価に至るまでの全工程を自社内で一貫して手掛けており、自動車や航空機などのモビリティ分野における世界的なファーストランナーとして、様々なCFRPコンポジット構造体を設計・製作している。同社は今回も担当者がレース全行程に同行することとしており、チーム一丸で念願の初優勝を目指す。
帝人グループは、2013年大会で工学院大学ソーラーカープロジェクトに参加して以来、今回まで4大会連続で同チームを支援しており、前回大会まではサポート企業のひとつとして、車体向けの軽量・高強度素材、およびチームメンバーの快適性向上につながる素材・製品を幅広く提供してきた。しかし、今大会はそれに加えて、工学院大学を次世代の革新的モビリティ開発を目指すパートナーと位置づけ、ソーラーパネルなどソーラーカーに搭載される部品関連の技術を得ることも目的に開発支援を行うこととした。
■ 炭素繊維「テナックス」製 超軽量織物プリプレグ
炭素繊維「テナックス」を使用し、帝人がサカイオーベックス株式会社と共同開発した成形厚0.06㎜、重量60g/m2という極薄の超軽量織物。これを使用することで、従来はなかったCFRPの薄肉化を実現し、超軽量車体の製作を可能とした。
■ ポリカーボネート樹脂「パンライト」製 樹脂窓
帝人が開発した、ガラスの約200倍という耐衝撃性と1/2という軽量性を有するポリカーボネート樹脂「パンライト」を使用した樹脂窓。車体の軽量化と搭乗者の安全性向上に貢献する。
■ パラ系アラミド繊維「テクノーラ」製 プリプレグ
帝人が開発した、鉄の8倍の強度と1/5の軽量性を有するパラ系アラミド繊維「テクノーラ」を使用したプリプレグ。タイヤカバー(タイヤと連動して稼働し、空気抵抗を低減する部品)の軽量化と耐久性向上に貢献する。
■ タテ型不織布「V-Lap」製 衝撃吸収シートクッション
帝人フロンティアが製造・販売しているタテ型不織布「V-Lap」を使用したシートクッション。反発性や通気性に優れ、車体の軽量化やドライバーの快適性向上に貢献する。
■ 超極細ポリエステル繊維「ナノフロント」製 グローブ
帝人フロンティアが製造・販売している、断面積が髪の毛の1/7500という超極細繊維「ナノフロント」を使用したグローブ。強力なグリップ性とともに通気性、水分蒸散性を有し、ドライバーの安全性や快適性に寄与する。
■ メタ系アラミド繊維「コーネックス」製 ドライビングスーツ
ドライビングスーツには、事故発生時の火災による被害を防ぐため耐火性が求められる。帝人が展開するメタ系アラミド繊維「コーネックス」を使用したドライビングスーツは、長期耐熱性や難燃性に優れ、過酷な環境下でのドライバーの安全確保に貢献する。
■ 「デルタピーク」製 チームウェア
帝人フロンティアが製造・販売している「デルタピーク」は、ソフトな風合い、生地表面のひっかかりにくさによる着用耐久性、ストレッチ性、通気性、軽量性など、様々な特徴を有する高機能織物。これを使用したチームウェアは、長時間にわたる準備や過酷なレース環境においても快適・爽快な着用感でチームに貢献する。