両車のボディの最大の違いは、GTがスペースフレーム構造を採ること。SLS AMGはオーストリア・グラーツのマグナ・シュタイア社で製造されていたモノコック構造で、ガルウイングを持つのが最大の特徴のひとつだったが、GTは通常の前ヒンジドア構造であり、ドイツのティッセンクルップ社が製造。スペースフレームとモノコックという違いを差し引いてもルーフ部構造の大きな差が顕著で、軽量化に大きく寄与しているのがうかがえる。重量物が高い位置になくなったことによるメリットが性能にどれだけの影響があるのかに興味をひかれる。
GTを創出するボディ部材の工夫の数々
ショックコーン構造が目を引くボンネットフード。ラジエーターサポートはマグネシウムと、数少ない「アルミ外」部材である。フロントメンバーの尋常でない大断面形状と大容量のブレースが、車両の性格を物語る。4.0ℓV8ターボエンジンを搭載する。フード/パネル類のうち、バックドアは鋼製。これもGTのボディ部材のうち、数少ないアルミ外部品のひとつである。フロントメンバーおよびサイドシルの頑強さと、フェンダーレールおよびピラー/ルーフ部材の細さの違いが印象的である。アウタースキンを装着したホワイトボディ。前後重量配分47:53という数字は、ポルシェ・ボクスター/ケイマンと近似する。911はさらにリヤヘビーの傾向だ。