もはや恒例になりつつある全開(アクセルではなくドア)&計測シリーズ。今回はルノーが誇るフラッグシップパフォーマンス・メガーヌR.S.のさらにカリッカリのカップ仕様を計測する。




PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

 メガネ?と読み違えられた日本上陸から数え、もう四代目を迎える現行ルノー・メガーヌ。初代の時代から用意されていたパフォーマンス版は、今世代から5ドアハッチバックでの用意となった。個人的にはゴリゴリのスーパースポーツはドアが3枚(あるいは2枚)としたいのだが、もはやそういう時代ではないのだろうか。いずれにせよ、5枚のドアが使い勝手に優れているのは疑う余地がない。

ルノー・メガーヌR.S.カップ。全長4410×全幅1875×全高1435mm。ホイールベースは2670mm。

 前後ドアの開口寸法を測っていこう。




 ドアハンドルは前後ともグリップ式。前ドアは2ノッチ、後ドアは1ノッチのチェッカー構造である。全閉時の最外部は前後ドアともにサイドシルのスカート、開放時の最外部は前ドアがプレスラインのエッジ部、後ドアはタンブル部である。ミラーtoミラーは2m6cmだった。

 続いて、前後フードの開口寸法について。




 フロントフードのオープナーは、残念ながら(?)左Aピラーの根元。右ハンドル化にあたっても移設に踏み切らなかったのだと思われる。ちなみにメガーヌRSはパーキングブレーキがレバーのまま残っているクルマなのだが、こちらも左側オフセットのままだ。開放時の最上部は、エンブレムを避けた形状の左右先端で、つまりいちばん高いところが2カ所あるということである。




 クルマのフロントフードというものは室内側のオープナーで一次ロック解除したあとに、フロントエンドの二次ロックをするのだが、メガーヌはこの二次ロック:キャッチリリースレバーの位置がとにかくわかりにくい。クルマに相対して左手のグリル近傍に備わる水平方向に動かすレバーがそれ。このレバーをさらに左へ外へ向かって倒すというアクションが、予想のつかない動きでとにかく開くのに難儀した。




 リヤドアは電動スイッチによるオープナーでリリース、ガスダンパーで開く方式で自動開閉機構は備わらない。開放時の最上部はドア中央の最下部エッジで、その意味では「ここが当たるだろうな」と予想しやすい位置だ。

 リヤドアを閉めるときのグリップは、内装にポケットを左右設ける構造。薄い内壁をつまみながらリヤドアを下ろす格好になり、グニャリという感触が少々不安をかきたてる。

 開口部はきれいな環状を描く。ホイールハウスの張り出しも大きくない印象で、内側寸法がそのままきれいに荷室になっている構造。開口部最下面と荷室には段差が残るので、その分の容量は稼げている格好だが重量物の載せ降ろしの際には一旦「ヨイショ」が必要だ。

 後部座席は6:4分割式で、倒した際には傾斜が残る方式。ヘッドレストは外さずとも倒すことはできた。最大寸法は助手席を最前スライド/チルトさせての寸法なのだが、メガーヌRSカップ仕様のシートはバケットタイプでサイドサポートの張り出しが強く、通常シートよりも前に行かない/倒れないイメージがあった。




 ラゲッジフロアと倒した後席の間には一段のキックアップ部があり、それを含めてフルフラットとならない。ちなみに段差は55mmだった。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 公園で全開シリーズ:11回目 Renault Megane R.S. Cup