REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
今回は50ccスクーターのJOGを10日程拝借して、筆者の生活の中に取り込んでじっくりと使ってみることにした。これまで50ccスクーターとは縁が薄く、通勤等の足には125 ccクラスが良いと考えていた筆者だが、正直50ccの良さも侮れない価値と魅力があることに、改めて気付いたのだ。
JOGは現在、ヤマハのスクーターバリエーションの中でも最廉価に位置する親しみやすいモデル。JOGと言えばかつてはスポーツスクーターのパイオニア的存在だったため、筆者の記憶の中にはどこか若々しいイメージをもっていた。なので久方ぶりに現行モデルのJOGと対面した時、少し違和感を覚えた。それもそのはず、冒頭で記した通りこのJOG はタクトのOEM 製品。つまりホンダ製のヤマハJOGであり、テール周りなどにタクトの面影がのこっている。
前述の通り50ccにはあまり興味のなかった筆者だが、今回ハッキリとしたのは、“コイツは使える”! その気楽な使い勝手には驚きを覚えた程であった。もちろんJOG に限るお話では無いのだが、ペダルを漕ぐ必要のない自転車と考えると、その豊かな実用性と快適性には大きな魅力がある。
とかくネガな話をすると法定速度が30km/hであること。大きな交差点では二段階右折が強いられ、アンダーパスやオーバーパスが通行できない場合があったり……、たしかに不自由な面もあるのだが、通勤時間帯にバスレーンを走れるといった50ccクラスならではのメリットもあったりする。
実際に、今回生活の中でJOG を使用して明確になったのは、上記のデメリット的なシーンに遭遇することはほとんど無かったのである。家から近所、せいぜい数キロの距離を買い物等に使う。まさに自転車がわりに使用すると、通る道も住宅街の道が殆どでそこの制限速度は20や30㎞/hに過ぎない。4車線の幹線道路を通る必要性はなく、2段階右折もしなくて済んでしまう。
もう一つ大きなメリットも発見。駅近の駐輪場は自転車がメインだが、原付1種(つまり50cc)のみは止めさせてくれる。 内は3人家族でバイク乗りは筆者一人だが、皆普通免許は所持しているので、50ccのJOGは乗れる。この便利さに気付いたら、おそらく家族で奪い合いになってしまう事だろう。
ジョグ/〈ジョグデラックス〉
認定型式/原動機打刻型式:2BH-AY01/AF74E
全長/全幅/全高 : 1,675mm/670mm/1,040mm
シート高 : 705〈720〉mm
軸間距離 : 1,180mm
最低地上高: 105mm
車両重量 : 78kg〈79kg〉
燃料消費率*1 国土交通省届出値
定地燃費値*2 80.0km/L(30km/h) 1名乗車時
WMTCモード値 *3 58.4km/L(クラス1) 1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・SOHC・2バルブ
気筒数配列: 単気筒
総排気量 : 49cm3
内径×行程:39.5mm×40.2mm
圧縮比:12.0:1
最高出力 :3.3kW(4.5PS)/8,000rpm
最大トルク:4.1N・m(0.42kgf・m)/6,000rpm
始動方式:セルフ・キック併用式
潤滑方式 : ウェットサンプ
エンジンオイル容量:0.70L
燃料タンク容量:4.5L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式 : TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式: 12V, 3.5〈5.0〉Ah(10HR)/GTZ5S〈GTZ6V〉
1次減速比/2次減速比:n/a/12.321
クラッチ形式:乾式, 遠心, シュー
変速装置/変速方式:Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比: 2.850~0.860:無段変速
フレーム形式:アンダーボーン
キャスター/トレール:26°30′/76mm
タイヤサイズ(前/後): 80/100-10 46J(チューブレス)/80/100-10 46J(チューブレス)
制動装置形式(前/後): 機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ/機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ
懸架方式(前/後): テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:ハロゲンバルブ/12V, 40/40W×1
乗車定員 :1名