ニュアンス・コミュニケーションズは、中国で急成長を遂げている自動車メーカー、吉利汽車(ジーリー)のモデルに採用されている「GKUI」スマートエコシステムに、同社のAI音声オートモーティブ・プラットフォームを提供することを発表した。

 浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)の技術企業であるECARX社が開発したGKUIは、インフォテインメント、コネクティビティ、および車両管理をひとつのスマートな車載システムに統合した革新的なデジタルコックピットシステムである。 ニュアンスのオートモーティブ技術は、吉利汽車の複数モデルに搭載されているGKUIの中核機能を構築し、下記のユーザーエクスペリエンスを実現する。




・音声によるスピーディーな操作-ニュアンスのプラットフォームは、中国市場の厳しい基準を満たす、極めて応答性の高いヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)を実現している。ドライバーや乗客は、人間同士が会話するようにGKUIと自然に対話できる。POI検索、ナビゲーション、温度調節など、主要な車載機能に関する質問やリクエスト対応をサポートしている。




・音声信号処理(SSE)-マイクから入力される音声に含まれるノイズを高度な音声信号処理技術によって除去し、よりクリーンな音声を作り出すことで、音声認識や電話のハンズフリー通話の品質を改善する。




 ニュアンスのオートモーティブ部門エクゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのステファン・オルトマン氏(Stefan Ortmanns)は、次のように述べている。「中国で急成長している吉利は、同国のデジタル化および自動運転の分野の未来を牽引していくだろう。吉利のGKUIは、人間同士の対話のような自然発話を実現し、信頼性が高く、またスピーディーなユーザーエクスペリエンスをもたらす。これは利便性や生産性だけでなく、安全性の面においてもドライバーとクルマとの信頼関係を築くのだ。私たちはこの技術革新に参画できることを誇りに思う」




 ECARX社の最高経営責任者(CEO)である沈子瑜氏(Shen Ziyu)は、次のように述べている。「当社が自動運転を目指す上で、GKUIは人とクルマの関係を変え、快適さと信頼性を向上するという使命を実現するための重要な要素である。私たちは、クルマを完全にユーザー指向の生活空間に変える取り組みを行っている。音声でクルマと対話することは、その核心部分であり、ニュアンスはこの分野での重要なパートナーなのだ」




 GKUIは、2018年に吉利博越(Bo Yue)のSUVに初搭載され、現在は浙江吉利控股集団の新世代ブランドであるLynk&Co、およびマレーシアの自動車メーカー、プロトン社の約20モデルに搭載されている。 GKUIは、標準中国語のほかに中国語の方言と英語をサポートし、プロトン社のモデルについてはマレーシア・アクセントの英語もサポートしている。




 ニュアンスの自動車向けソリューションは、2億5千万台以上の自動車に搭載され、40以上の言語でBMW、アウディ、ダイムラー、フィアット、フォード、GM、ヒュンダイ、上海汽車集団(SAIC)、トヨタなどの世界中の大手自動車メーカーに対話型のインテリジェントなユーザーエクスペリエンスを提供している。コネクテッドカーのインテリジェンスを向上させるニュアンスの自動車向けソリューションについての詳細はこちらを、ニュアンスの最新情報についてはLinkedInをご覧いただきたい。

 ECARXは、浙江吉利控股集団が戦略的投資を行う独立運営の技術革新企業である。同社は、インテリジェントなコネクテッドカー技術をもとに、主にデジタルコックピット、インテリジェントドライブ、エコネットワークプラットフォーム、およびその運用を重点分野としている。ECARXには1000人以上の専門家やエキスパートが従事しており、そのうちの80%が研究開発者だ。現在、ECARXは武漢、杭州、上海、北京、大連、西安などに拠点を持ち、2017年末にはスウェーデンのヨーテボリにも支社を設立した。現在、同社は、吉利汽車、Lynk&Co、プロトン社、およびその他の自動車ブランドに戦略的パートナーサービスを提供するとともに、世界中の自動車オーナーにコネクティビティサービスを直接提供している。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ニュアンス:オートモーティブ技術が吉利汽車「GKUI」スマートエコシステムに採用