欧州市場向けにはもともとディーゼル仕様の設定があり、国内導入に際には「1.5ℓガソリンターボ+CVT」と「2.2ℓ直4ディーゼルターボ+8速AT」のふたつのパワートレーンを設定するはずだった。今回のディーゼルエンジン搭載モデルの追加で、いよいよエクリプス クロスのラインアップが完成してことになる。
搭載するエンジンは、デリカD:5が搭載する4N14型直列4気筒ディーゼルターボである。
排気量は2267cc(なので、三菱が言う「2.2ℓ」ではなく「2.3ℓ」と表記するのが正しいと思うのだが)。
パワースペックは
最高出力:145ps(107kW)/3500rpm
最大トルク:380Nm/2000rpm
である。酸化触媒/NOxトラップ触媒/DPFを統合した排ガス浄化システムに加えて、尿素SCRシステムを採用している。燃料タンク容量は、60ℓでガソリンのAWD車と同じ。
トランスミッションは、スポーツモード付8速AT(アイシン・エィ・ダブリュ製)。で、ディーゼルエンジン搭載車はすべてAWDとなる。
メーカー希望小売価格(消費税込み)
M:306万1800円
G:323万280円
G Plus Package:340万3080円
特別仕様車BLACK Edition:342万4680円
特別仕様車BLACK Editionオーディオ非装着車:332万7480円
ガソリンエンジン搭載車との気になる価格差は
ガソリン M(4WD):275万5080円
ディーゼル M(4WD):306万1800円
価格差:32万6720円
ガソリン G(4WD):293万4360円
ディーゼル G(4WD):323万280円
価格差:29万5920円
ガソリン G Plus(4WD):310万7160円
ディーゼル G Plus(4WD):342万4680円
価格差:31万7520円
つまり、ガソリン(1.5ℓターボ)とディーゼルの価格差は約30万円だ。
1.5ℓ直4直噴ターボ+CVTのAWD車の燃費は
JC08モード:14.0km/ℓ
今回追加された2.3ℓ直4ディーゼル+8ATのAWD車の燃費は
JC08モード:15.2km/ℓ
WLTCモード燃費
WLTCモード燃費:14.2km/ℓ
市街地モード:11.0km/ℓ
郊外モード:14.0km/ℓ
高速道路モード:16.4km/ℓ
だ。
燃費の差を燃料費で取り戻すには、
レギュラー(現在1ℓ=144円)
軽油(1ℓ=124円)
だとすると
1年間1万km走行する場合は(JC08モード燃費が実燃費だと仮定して)
ガソリンターボAWD:約714ℓで10万2816円
ディーゼルAWD:約658ℓで8万1592円
差額は2万1224円である。5年で10万6160円。
この計算でいくと、エクリプス クロスの場合は、燃費と燃料代でディーゼルとガソリンの価格差約30万円を取り戻そうとすると年間3万km走行するというヘビーユーザーに限られてしまうので、ディーゼルは純粋に「+140Nmの余裕ある走り」を選ぶということになるだろう。燃料代で価格差を取り戻すのは難しいが
380Nmと240Nmというトルクの差は歴然。高速道路や長距離ドライブでは圧倒的にディーゼルが優れているだろう。