REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/FCA
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イタリア車といえば官能的なデザイン、サウンド、ハンドリングというイメージが根強いものと思われるが、ことデザインに関して歴代パンダはこの通例に当てはまらない。1980年デビューの初代は極めて合理的なスペース効率重視のパッケージングをそのまま形にしたスクエアな形状の3ドア。5ドア化された2003年デビューの二代目では大幅にモダナイズされたものの、直線基調のデザインは少なからず踏襲された。
そして11年に本国デビューし、13年6月に日本上陸を果たした現行三代目は、四角に丸を組み合わせた「スクワークル」をテーマとし、肩の力が抜けた雰囲気になっているものの、基本的なフォルムとパッケージングは二代目の拡大版というべきものだ。
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そんな懐の深さはシートも同様。一見小ぶりでサイドサポートも弱そうなシートだが、実際に座ってみると、柔らかな感触で適度にクッションが沈み込み、身体の凹凸にピッタリフィット。サイドサポートも必要充分な高さとなり、全身を心地良く支えてくれる。このシートの感触は、フランス車のお株を奪う出来と言っていい。
なお後席は、身長176cm・座高90cmの筆者が適切なドライビングポジションに合わせた運転席の後ろで、ヘッド・ニークリアランスとも10cmという必要充分レベル。しかしながら、高い全高に対し座面が高く背もたれも起きているため、広さ“感”は数値以上だった。サイドウィンドウの開閉が電動ではなく手動なのは玉に瑕だが。
唯一無二の自動車用2気筒エンジン。フィアット500のツインエア【パンダ4×4 6速MTのギヤ比】
1速 4.100
2速 2.174
3速 1.345
4速 0.974
5速 0.766
6速 0.646
後退 3.818
最終減速比 5.308
【Specifications】
<フィアット・パンダ4×4フォレスタ(F-AWD・6速MT)>
全長×全幅×全高:3685×1670×1615mm ホイールベース:2300mm 車両重量:1130kg エンジン形式:直列2気筒SOHCターボ 排気量:875cc ボア×ストローク:80.5×86.0mm 圧縮比:10.0 最高出力:63kW(85ps)/5500rpm 最大トルク:145Nm(14.8kgm)/1900rpm JC08モード燃費:15.5km/L 車両価格:251万6400円