TEXT●吉岡卓朗(YOSHIOKA Takuro)
今回の新型1シリーズにはスポーティグレードとなるM135iがラインナップされているが、じつは4WDである。BMW製のFWDベースの4WD……複雑な時代である。たしかにミニ・クロスオーバーなどを見ればきびきびとした走りを想像できるが、やはりフロント横置きエンジンの4WDというと、ガチのライバルとなるフォルクスワーゲン・ゴルフRとどのようなバトルを展開するのか気になるところだ。
4WDモデルであるということや排気量や最高出力は、まさにゴルフのハイエンドグレードであるゴルフRとの真っ向勝負である。そこでM135i(欧州仕様)とゴルフR(日本仕様)のスペック表を眺めながら、実際に2台のステアリングを握って比較する日を想像してみた。
全長×全幅×全高 4319×1799×1434mm
ホイールベース 2670mm
トレッド 前1560mm、後1563mm
タイヤサイズ 225/40R18
全長×全幅×全高 4275×1800×1465mm
ホイールベース 2635mm
トレッド 前1535mm、後1510mm
タイヤサイズ 225/40R18
まずは寸法から見てみよう。M135iが44mm長く、1mm狭く、31mm低い。全長が長い分M135iはホイールベースも35mm長い。全幅は両車似たような数値だが、トレッドはM135iが前が25mm広く、後ろは53mmも広い。タイヤサイズは同一である。
次にエンジン性能と加速性能を見てみよう。
排気量 1998cc
形式 直4ツインパワーターボ
最高出力 306ps/4500-6250rpm
最大トルク 450Nm/1750-6250rpm
0-100km/h加速 4.8秒
排気量 1984cc
形式 直4ターボ
最高出力 310ps/5500-6500rpm
最大トルク 400Nm/2000-5400rpm
0-100km/h加速 4.6秒
M135i、ゴルフRともに2.0ℓターボエンジンを搭載し、最高出力約300psとほぼ拮抗している。細かく見ていくと、M135iは最高出力が4ps低く、最大トルクが50Nm多い。だが0-100km/hの数値では、なんと0.2秒もゴルフRの方が早い。このあたりの0.2秒は決して無視できないが、それでもM135iのほうが1割以上も大きな最大トルクでサーキットやワインディングでパフォーマンスを発揮しやすいかもしれない。とはいえ、まだ実車が登場したわけではないので、登場の暁にはあらためて実車でしっかり動力性能を比較してみよう。