TOYOTAの誇りとともに、最高の素材と技術の枠を集め、地道に手間暇を掛けてつくりあげられるセンチュリーの技術背景を紹介する。
図版解説●安藤 眞/編集部
将来的な体格の向上も見込んで設計された室内空間
パワートレーンはV8エンジン+ハイブリッド
和装やロングドレスでもOK。
乗り降りのしやすさや所作の美しさまでもが考えられ、段差が消された後席サイドステップ部。しかしその実現は次頁で解説するように簡単なものではなかったが、仕入先も含めたオールトヨタの技術と熱意で達成された。
乗り降りを美しく見せるための工夫
最上のリラックスを提供する
美しい空間のための緻密な調整
各部の握り具合を統一し違和感を徹底排除
分割された部位も木目の連続性を確保
手触りや操作感も譲れないポイント
乗り心地に妥協を許さない後席シート
”量産車”とは一線を画す品質管理
常識を覆す構造を実現し目的を達成
新型のアイデンティティを表現するための新たな後方
コストを惜しまずに効果優先で最大限に活用する
クルマとしての空力性能の大半は床下で
4チャンネルの最新ノイズコントロール
振動とエンジン透過音の遮断
静粛性を高めるために徹底された吸遮音対策
手彫りの金型を忠実に再現する鳳凰エンブレム
圧倒的な存在感を発する漆黒の塗装
熟練の匠の技で磨きが掛けられる
塗装面の研磨は従来と同じく、熟練工の手で3回、水研ぎが行なわれている。水研ぎに掛かる時間は、1回当たり約1.5時間。ひとりの職人がボディの半分を担当し、息の合ったペアで作業する。この工程を担当できるようになるまでに、3〜5年の修行を要するそうだ。
タイヤで発生する騒音を減衰するホイール
専用設計の静音タイヤを採用
特徴的な輝きの仕組み
ボディ下部を一周するメッキの輝き
足まわりはLS600hをベースに各部を新設計
サスペンションはレクサスLS600hのものがベースとなっているが、図の赤で囲まれた部品は新設計。優れたジオメトリーを共用しながら、ブッシュ類のフリクション低減やアームの剛性バランス調整など、ほとんどの部品に改良の手が入っている。
フラットで上質な乗り心地をもたらすジオメトリー
フロントはインホイール型のダブルウイッシュボーンから、ハイマウントアッパーアーム方式に変更。支持スパンを広げることで、横剛性を大幅に高めた。また、ナックルアーム長を長く取ることで、旋回時のトー剛性も向上させている。
トヨタ初の新構造を採用
エアサスはエアボリュームを大きくするほど乗り心地が良くなるため、フロントにはサブチャンバーを追加し、リヤは全長を延ばして容量を拡大。「ピストンテーパ角」と書かれているのが、実効重圧面積を小さくした部分。
フラットな乗り心地に貢献する可変ダイバー
細部の地道な対策も施し走りの完成度を高める
走り出しの微少域でのゴツゴツ感を低減するために、フリクションの低減対策を徹底。ボールジョイントはグリスを低抵抗タイプのものに変更。スタビライザーのクランプ部にはテフロンコートを施した。
不要な挙動を抑制するセッティング
安定した運転を支援する操舵感
不快な振動を抑制する液封マウント