PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
ホンダは1999年に初代「モンパルML100」、2006年に二代目となる「モンパルML200」を発売したが、今年2月に生産終了。ホンダからシニアカーのラインアップが消滅してしまった。
また、ハンドルに標準搭載のメーターを必要最小限にしつつ、スマートフォンを接続することでより詳細な情報を大きく表示できるようにしている。さらに、シェアリングサービス会社がデジタルサイネージ(電子看板)として利用することを想定し、シート背もたれの裏側にタブレットの装着を可能としたのも、最先端のシニアカーらしくもいたって現実的な提案だ。
そのほか、フロントパネル裏側には充電ポートのほか、USB端子4個とAC100Vコンセントを搭載。ボディ中央に搭載される「モバイルパワーパック」も容易に着脱可能で、アウトドアや出張サービス、あるいは災害時に活用することもできそうだ。
このエスモコンセプト、本田技術研究所デザイン室FPC(Future Proposal &Creation)エキスパートの矢口忠博さんによれば、「もうすぐ定年退職を迎える自分が老後に乗りたいシニアカーを作った」のだとか。
そして、「運転免許返納前後の男性をターゲットに、乗せられている感がなく、バイクのライドオン感が味わえるように」というのが、エスモコンセプトの開発テーマなのだという。
免許返納後にこれで歩道を走るのも乙なものだが、6km/hのリミッターを解除した原付一種の仕様も別途発売してほしい。そう思わせるほど、エスモコンセプトはスタイリッシュかつ現実的な提案だった。
【ホンダ・エスモコンセプト 主要諸元】
全長…1200mm
全幅…600mm
最高速度…6km/h
航続距離…約45km
バッテリー…ホンダ・モバイルパワーパック1個