レポート日:2019年5月17日
TEXT&PHOTO●鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)
MotorFan.jp編集部のスタッフカーにルノー・メガーヌGTが来たことは知っていたが、いまだ見たことがなかった。前のカジャーにもあまり縁がなく、1年間弱で二度しかドライブできなかった。
プジョー306、アルファ156(2台)、シトロエンC4と乗ってきたから、個人的にはイタフラ車好き、なのだ。が、どうもルノーとはスレ違いな感じなのだ。メガーヌといえば、その昔WRCのF2キットカー時代のメガーヌMAXIが頭によぎるくらい、これまた縁がなかった。
というわけで、ようやく初ドライブが叶ったわけだ。目的地はパシフィコ横浜。「人とくるまのテクノロジー展」の取材で新宿〜横浜を往復してみたわけだ。
編集部の駐車場で初対面。おお、色はホワイトか。シートに座ってみる。スイッチを押してエンジンをかけ……ようとしたら、なにやら勇ましい音が鳴った。これ、最近ハヤリのウェルカムサウンドらしいけれど、心臓に悪いからやめてほしいなぁ。もっとひっそりイグニッションをオンししてほしい。けれど、ルノー・スポールが仕立てるGTを望む人にはこれくらいの演出が必要なのだろう。
シートは、さすがに素晴らしい。走り出す。カジャーの時はギクシャクしていた7速DCTも思いの外スムーズだ。と言っても、普通のトルコンATとは明らかに違う走り出し。少し慣れが必要かもしれない。
新宿の街の中で走り始めてすぐに感じるのは、ボディのしっかり感。サスペンションはフランス車とは思えないほど硬められているが、とにかくボディががっしりしているから、不快な感じはない。いいボディだなぁ。ルノーはCセグハッチバックを作るの、うまいなぁと思いながら、ドライブする。個人的には、気持ちよくロールするよく動く(ストロークも)サスペンションが好きなのだが、メガーヌGTの乗り味もなかなかいい。
普段乗っているBMW320d(F30型)セダンより、ずいぶん車幅があるように感じる。ステアリングの切れ角の影響か。小回りが利かないように思えたが、実際はどうなのだろう? 車幅は1815mmだから、320dより15mm広いだけなのだが、気分的は50mmくらい幅広な印象だ。
そういえば……メガーヌGTには、後輪操舵システムが載っていたような……たしか、それはアイシン製だったような……記憶が蘇ってきた。今度、駐車した状態でステアリングを目一杯切って確かめてみよう。
メガーヌGTの第一印象は、まずボディのがっちり具合の気持ち良さ、そしてシートの素晴らしさということになる。回りたがるエンジンのおかげで、VWゴルフなどのライバルと比べて加速時も割と高回転まで使う。100km/h巡航時のエンジン回転数も2000rpmを少し超え(2150rpmくらいだったかな)、現代のクルマとしては、やや高回転だ。
200kmほどドライブして燃費を見てみると7.2ℓ/100km=13.9km/ℓとまずまず。メガーヌGT、いいクルマだなぁ。車両価格は? 339万9000円! この感じで339.9万円ならとてもリーズナブルなのではと感じた。
というわけで、第一印象、すこぶる良かったです。
気になったのは……
・派手に響き渡るウェルカムサウンド
・センターのモニターが小さく、なおかつ339.9万円なのにナビが付いていない
・ルーフ上のアンテナ、シャークフィンタイプにしてほしい。いまの形状だと低い天井のガレージでアンテナだけ引っかかってしまうんですよね。