果たして両車の使い勝手は? A6はセダンの「55TFSIクワトロSライン」日本仕様、クラウンは2.0Lガソリンターボ車の「RSアドバンス」で比べてみた。
ホームであるドイツを重視しながらグローバルでの販売が前提のA6と、ほぼ日本専用モデルであるクラウンとの決定的な違いが、この全幅とトレッドに表れている。クラウンの1800mmという全幅は日本の道路・駐車場環境において通行・入庫可否を分ける分水嶺であり、クラウンは15代目においてもこれを死守した。
A6は245/45R19、クラウンは225/45R18タイヤを装着し、ホイールベースは2920mm超に達しているが、縦置きエンジンを利して比較的優秀な値に収まっていると言えよう。なお、A6は後輪操舵機構「ダイナミックオールホイールステアリング」を装着すると5.2m、クラウンは215/55R17タイヤ装着グレードの2WD車を選択すると5.3mにまで縮小され、狭い交差点では内輪差の方がむしろ心配になるほど小回りが利くようになる。
数値上の容量はクラウンの方が約100Lも小さいのだが、ゴルフ好きの重役や自営業者に愛され続けているクラウンにおいて、9.5インチゴルフバッグを4つ積めるというのは、全幅1800mm以内と同じレベルで死守すべき設計要件。新型においてもハイブリッド車の一部を除いて当然のごとくクリアしており、この点の使い勝手においてはA6を上回っている可能性さえ充分に考えられる。