TEXT &PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi/MOTOR FAN)
既報どおり、レクサス初となるミニバン「レクサスLM300h」が上海モーターショーで世界初公開された。LM300hは、セダンのフラッグシップ「LS」、クーペのフラッグシップ「LC」、SUVのフラッグシップ「LX」、ラグジュアリーヨットのフラッグシップ「LY」に続くレクサス5番目のフラッグシップだ。
もちろん、ベースはトヨタが誇る高級ミニバン、アルファード/ヴェルファイアである。LM300hだから、2.5ℓバイブリッドが搭載パワートレーンとなるが、LMの場合、パワートレーンよりもその立ち位置が重要だ。
自動車社会が成熟しつつある中国市場では、初期のセダン人気、そしてSUV人気ときて、次は高級ミニバンに注目が集まっている。
保姆车と中国語で表されるこのカテゴリーは、大切な人を乗せる高級ピープルムーバーである。そのなかでもトヨタ・アルファードは、すでに中国の富裕層から熱烈な支持を受けているのだ。
ちなみに、LMは、ラグジュアリー・ムーバーの略である。
今回、トヨタはレクサスLMのほかにも、ヴェルファイアの中国市場投入を発表している。これで、アルファード/ヴェルファイア、そしてレクサスLMという強力なラインアップで、このカテゴリーを席巻する構えだ。
メルセデスも新型Vクラスの豪華仕様をショーで披露していたが、最初から乗用として開発され、代を重ねたアルファード/ヴェルファイアに、乗り心地や豪華さには一日の長がある。
インテリアは4座に割り切り、その代わりアルヴェル以上の豪華を演出した。
スマートフォンやタブレット端末の接続、Blu-ray再生可能な26インチのモニターを搭載。ワイン2本を収められる14ℓの冷蔵庫も備える。つまりレクサスLMは、超高級リムジンの新しいカタチを提案したわけだ。
これまで、欧州の超高級ブランドのセダンやSUVに乗っていた中国の富裕層がこぞってLMを買う姿を想像するのは難しくない。
欧州の高級メーカーである、ジャガー、マセラティ、アルファロメオ、ベントリー、ロールス・ロイス、ランボルギーニまでが、SUVをラインアップに加えたが、レクサスLMが切り開くこのカテゴリーは手つかずだ。
レクサスLMが国内投入されるかは未定、北米への投入も未定だが、もしかしたら、世界中の富裕層のガレージに収まるレクサスの誕生、それがLMなのかもしれない。