PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
80年代は、クルマがステータスシンボルであると同時に、男性が女性をドライブデートに誘うのに必須のアイテムだった最後の時代。86年にデビューした二代目ソアラは、そんなデートカーの最右翼だった。
初代ソアラのイメージを色濃く踏襲しながら、内外装より洗練されたものに進化。さらに、虚像表示メーター「スペースビジョンメーター」を世界初採用するなど“ハイテク”イメージも強化して、分かりやすく高級で格好良いが下品ではない、そんな“デートカー”として初代以上の人気を得ている。
筆者は当時まだ小学生だったが、父の知人が所有していたこともあり、子供心にそんなソアラに憧れて、事あるごとに「乗せて乗せて~」とせがんだことをよく覚えている。そして、その願いが叶った時の喜びは今なお決して忘れられない。
しかも今回展示された車両は、89年に500台限定で販売された「エアロキャビン」。電動でルーフとリヤウィンドウを折りたためる2人乗りモデルという、極めてレア度の高いものだった。
かたや五代目マーク2は、当時の“一億総中流社会”という共同幻想において、“ハイソサエティ”な生活に憧れる世のお父さんたちの“ハイソカー”として、兄弟車のチェイサー、クレスタとともに大ヒットした4ドアサルーン。
クラウンほど偉そうではないが、コロナよりは高級であることが一目で分かる、当時のトヨタ車ヒエラルキーにおいて“一億総中流社会”のツボを突く、マーク2三兄弟はまさにそんなポジションのクルマだった。
私の実家は当時、兄弟車のクレスタと同時に、コロナの兄弟車であるカリーナも所有していたが、その差は当時小学生だった私でも理解できるほど明確。カリーナはあくまで普通のクルマなのに対し、マーク2は静かで高級なクルマというのを、子供ながらに感じ取っていた。
そして70と90の新旧スープラだが、その狭間にある80の中期型ターボを中古で購入した経験のある筆者には、グランドツーリングカーからピュアスポーツカーへと変化しその純度を高めていったその過程が、これら三世代のスープラから直感的に見て取れる。
新型の予約受注は好調に推移しているというが、そんな歴史を持つスープラだけに、モデルライフを通じて高い人気を維持しつつ、80年代的なユルさと贅沢さを味わえるモデルが追加されることを願わずにはいられない。