3月28日に発売された新型日産デイズには、軽自動車では初採用となる先進事故自動通報システム(AACN)「SOSコール」(ヘルプネット)が全グレードにオプション設定されている。果たしてこの「SOSコール」(ヘルプネット)とは?




REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、日産自動車、日本緊急通報サービス、HEM-Net

「ヘルプネット」の仕組みと流れ

 まず「ヘルプネット」とは、一言で言えば「エアバッグが開くほどの事故に遭ったら自動で通報してくれるシステム」。




 より正確には、事故発生場所・時間・車両のデータを専門のオペレーターへ自動送信するとともに電話回線をつなぎ、その後必要に応じオペレーターが警察や消防署に通報・データ送信することで、救急車やパトカーがいち早く事故現場に駆けつけ、事故の被害者を救出できる可能性を高める、日本緊急通報サービスが提供する事故自動通報システム(ACN)、ということになる。




 なお、ヘルプネット搭載車には手動で通報できるよう専用のボタンが備えられており、急病で運転できなくなった際や車両が故障してしまった場合、あるいは事故後にエアバッグが展開しなかった時などでも通報することができる。

「D-Call Net」の概要

 そして新型デイズの「SOSコール」は、これよりもさらに一歩進化した「先進事故自動通報システム(AACN)」となっている。具体的には自動通報の際、事故発生場所・時間・車両のデータに加え、衝撃が加わった方向や衝突時の速度変化、シートベルトの着用有無、多重衝突の有無といったデータも送信し、これらを元に乗員の重症度を推定。




 その重症度データを消防署やドクターヘリ基地病院に送信して、より迅速にドクターカーやドクターヘリの必要性を判断し現場に駆けつけることを可能にする「D-Call Net」にも対応した(D-Call Netの詳細は下記記事より)。

救急自動通報システム「D-Call Net」新たにSUBARU、日産、マツダにも搭載
「SOSコール」の主な流れ

 日産ではこの「SOSコール」を、近年大きな社会問題になっている「あおり運転」への対応に活用することを提案している。

「SOSコール」の手動通報ボタン使用イメージ

 実際の流れとしては、後続車にあおられた際に「SOSコール」の手動通報ボタンを押して専門オペレーターと通話し、警察への通報を依頼しつつアドバイスを受け、パトカーが待機している場所まで移動。事故を防ぎながら、あおり運転をしてきた後続車のドライバーを検挙してもらう、という使い方ができるというのだ。

SOSコールに対応する日産オリジナルナビゲーション(NissanConnectサービス対応ナビ)MM318D-L

 この「SOSコール」を利用するには、「日産オリジナルナビ取付パッケージ」をメーカーオプションで装着するか、これが標準装備になる「プロパイロットエディション」各グレードを選択し、ディーラーオプションの「日産オリジナルナビゲーション(NissanConnectサービス対応ナビ)MM318D-L」を装着。そのうえで「NissanConnect」と「SOSコール」へサービス登録を申し込む必要がある。




 なお、新型デイズと同時に発売された新型三菱eKワゴン/eK Xには、現時点で三菱が「D-Call Net」に参画していないため、「SOSコール」は全グレードとも設定されていない。




 従来型デイズおよびeKも、モデルライフを通じて徐々に独自装備が共通化されていったため、新型eKワゴン/eK Xでも「SOSコール」が一日も早く利用可能となることを、心から期待したい。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 あおり運転対策にも活用できる! 新型日産デイズに設定された「SOSコール」とは?