ヤマハの人気250ccスポーツ「YZF-R25」「YZF-R25 ABS」の2019年モデルが3月28日に登場。ニューモデルはヤマハのMotoGP マシン「YZR-M1」をシンボルとする新しいデザインを採用するとともに、走行性能に磨きをかけているのが特徴だ。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

ヤマハ YZF-R25……599,400 円

ヤマハ YZF-R25 ABS……642,600 円

 スタイリッシュな外観とスポーツ性能に特化した走行性能、また日常での扱いやすさを調和させた、“毎日乗れるスーパーバイク”を具現化した「YZF-R25」「YZF-R25 ABS」。2014年に発売以来、20 代を中心とした若年層に高い人気を誇る、水冷4 ストロークDOHC直列2 気筒4バルブ249ccエンジンを搭載した注目のモデルだ。




 2019 年モデルは、ヤマハのMotoGPワークスマシン、「YZR-M1」をイメージした新しいデザインを採用。走行性能に磨きをかけているのもポイント。2019年モデルの主な特徴は、




・エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン


・乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバー


・旋回時など、良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション


・快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション


・視認性の高いフル液晶メーター


・LED ヘッドランプ採用のフロントフェイス







ABSなしの「YZF-R25」と、ABS装着の「YZF-R25 ABS」の2種類あり。写真はすべてABS装着車。

写真はマットブラック2(マットブラック)。
写真はマットディープレッドメタリック3(マットレッド)。


2019年モデル「ヤマハ YZF-R25」「ヤマハ YZF-R25 ABS」はココが新しくなった!

エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン

 フロントカウルとスクリーンは、空力特性の向上を重点に置き開発。フロントカウルは、“クロスレイヤード・ウイング”と呼ぶ、立体的な構造。走行風を後方に逃がすことで、空気抵抗を低減しつつ、効果的にエンジンを冷却する機能的なデザイン。




 スクリーン形状は、周りの空気を整流する効果があり、それぞれの優れた空力特性が空気抵抗によるライダーの負担を減らしている。

乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した、新デザインのタンク&タンクカバー

 ハンドル位置を22mm、タンクトップ位置を20mm下げ(従来比)、サーキットの直線で前傾姿勢を取りやすく、旋回時には高いニーグリップ性を発揮。




 さらにタンクの左右最大幅は31.4mm広げており、燃料の容量は従来同様14Lを確保している。

旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション

 φ37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションを採用。倒立式のメリットである「優れた剛性バランス」を活かすため、減衰力とバネレートを最適化。旋回や制動時などでの良好なフロント接地感を獲得している。




 減衰力発生機構は、新たにカートリッジ式とし、伸側・圧側それぞれの最適化が可能となり、快適性とスポーツ性の良好なバランスを図っているのがポイントだ。

快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジションを獲得

 ハンドルクラウン下にマウントしたセパレートハンドルは、スポーティなスタイリングでありながら、日常での扱いやすさと快適性に配慮。




 前モデルと同様に、シートの高さを低く抑えたことで無理のないライディング


ポジションを実現し、ツーリング時のライダーの疲労感を緩和している。

視認性の高いフル液晶メーター

 メーターは、新開発の視認性の高いフル液晶のディスプレイを採用。高精細なバーグラフタイプのタコメーターにより、アクセルワークを視覚的にも楽しむことができる。




 スピードメーターや燃料計だけでなく、シフトタイミングインジケーターなどの情報をマルチに表示し、視認性の高さとレーシングイメージを両立しているのもポイント。

精悍なフロントフェイスを演出するLED ヘッドランプ

 歴代R シリーズと同様のデュアルヘッドランプにLED を採用。フロントフェイスはLED二眼ヘッドランプと新造形をバランスさせて低い位置から睨みつける表情をもたせ、サーキットでの緊張感や走りへの闘志を表現。




 さらに左右ヘッドランプの中央には、「YZR-M1」のアイデンティティであるセンターダクトを採用し。MotoGPマシン「YZR-M1」のイメージを強調している。

サイズや重量、最高出力や最大トルクは2018年モデルと変わらず



 写真上は2018年モデル。2019年モデルの全長や全高やホイールベース等のサイズは、2018年モデルとほぼ同じ(全幅のみ720mmから730mmに拡大)。重量も同じ(ABSなし167kg)。




 重量最高出力(35PS)、最大トルク(2.3kgf・m)、圧縮比(11.6)、ボア×ストローク(60.0mm×44.1mm)も同じ。

「ヤマハ YZF-R25」「ヤマハ YZF-R25 ABS」主要仕様諸元

〈 〉内は「YZF-R25 ABS」


認定型式/原動機打刻型式:2BK-RG43J/G402E


全長×全幅×全高:2,090mm×730mm×1,140mm


シート高:780mm


軸間距離:1,380mm


最低地上高:160mm


車両重量:167kg〈170kg〉


燃料消費率*1


国土交通省届出値 定地燃費値*2:37.7km/L(60km/h) 2 名乗車時


WMTC モード値(クラス)*3:27.2km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1 名乗車時


原動機種類:水冷・4 ストローク・DOHC・4 バルブ


気筒数配列:直列2 気筒


総排気量:249cc


内径×行程:60.0mm×44.1mm


圧縮比:11.6:1


最高出力:26kW(35PS)/12,000r/rpm


最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm


始動方式:セルフ式


潤滑方式:ウェットサンプ


エンジンオイル容量:2.40L


燃料タンク容量:14L(「無鉛レギュラーガソリン」指定)


燃料供給方式:フューエルインジェクション


点火方式:TCI(トランジスタ式)


バッテリー容量/型式:12V,7.0Ah(10HR)/GTZ8V


1 次減速比/2 次減速比:3.043(70/23)/3.071(43/14)


クラッチ形式:湿式、多板


変速装置/変速方式:常時噛合式6 速/リターン式


変速比:1 速 2.666/2 速 1.882/3 速 1.454/4 速 1.200/5 速 1.037/6 速 0.920


フレーム形式:ダイヤモンド


キャスター/トレール:25°00´/95mm


タイヤサイズ(前/後):110/70-17M/C 54S / 140/70-17M/C 66S (前後チューブレス)


制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ


懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム


ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED




*1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態


などの諸条件により異なります。


*2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。


*3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計


算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
情報提供元: MotorFan
記事名:「 遂に国内販売! 著しい性能アップを果たしたヤマハ「YZF-R25」、3月28日に発売