では、光電管やレーザーはどうかと言えば、光というものは、空気中の雨滴や雪の密度が濃くなるにつれ、到達距離が短くなっていくという特性を持っている。光電管式は光電管そのもので速度を測っているわけではないので、その特性はあてはまらないが、少なくともレーザーは、雨や雪、そして霧の中では正確な測定は行いにくいことに間違いは無い。また、光電管式も2組の送光器と反射板により道路の2点(3m間)を光で遮蔽し、そこを通過するクルマの通過時間を測り速度を割り出しているため、例えば光が雨や雪によって屈折し、3mという距離が保てないことで、誤測定が発生することも考えられる。要は、どちらも影響を受ける可能性があるのだ。「速度計測が正確に行えないから」という理由は、確かにあてはまりそうだ。
さらに、元々、これら光電管等の機器が、水分に弱いというのもひとつの要因になっているとも言われている。速度測定機器は、精密機械でもあるので、これも正解かもしれない。
が、実は、1番大きな要因は、これ、「事故リスク回避」なのだ。確かに、ネズミ捕りにつきものの、「それなりのスピードで走ってくるクルマを停止させる」行為は、路面の濡れた荒天時では慌てたドライバーによる急ブレーキやハンドルの誤操作などが、事故を誘発しかねない。交通安全を目指すための交通取り締まりで事故続発なんてことになったら本末転倒。以前、荒天ではないものの、高速道路でのスピード取締中に、路肩に駐めた違反車に後続車が追突して死者が出るという悲惨な事故が起こり世間の非難を浴びた。その後、警察が高速道路でのネズミ捕りを暫く自粛したという経緯もある。交通警察の面目丸つぶれというわけだ。
ただし、荒天だからといってネズミ捕りをやらないわけでは決してない。機器が濡れないような場所、例えば高架下やトンネルの出入り口などで、取り締まりを行っている光景を見かけると言うのも事実。警察の本音はどうあれ、ただでさえ事故率が上がる荒天時こそ、普段より注意力をアップさせれば、自ずとネズミ捕りにひっかかる可能性も下がるというものだ。
✴️祈、安全運転! 2019年交通取り締まりの傾向と対策 PART1は、こちら!
光電管かレーダー式か
路肩のパイロンに注意!