実は以前、スバルの山内選手や自動車メーカーの方さんから「氷上走行は運転がすごくうまくなるし、なにより楽しい」と伺っていたので、それ以来、ずっと体験してみたいと思っていました。
さて、女神湖は信州蓼科にあり、1月中旬から2月半ばまでは厚い氷が張ることから自動車での氷上運転ができる湖として知られています。名古屋や東京から2~3時間で行けるので、多くのドライバーが走りに行かれていますね。ここでは走行会のイベントだけでなく、CMや映画などの映像撮影、タイヤや車両のテストなどども行われているようです。
「T by Two CABANA Racing 氷上走行 安全運転講習会」の参加は20台/32名。氷上走行経験者と初体験の方は半々くらい。参加車両で1番多かったのはトヨタ・86。その他BMW318、トヨタ・プリウス、トヨタ・マークX、ホンダ・FIT、三菱 ・aiなどいろんなクルマが集まりました。
今回の走行会は、自分で走るだけではなく、GROBAL MX-5カップジャパンの2018シリーズチャンピオンである堤優威選手と、S耐などで活躍されている井尻薫選手という、おふたりのプロドライバーに直接アドバイスがもらえる! といううれしい特典がありました。
まずは、お二人から3つのコース(左からスラローム、定常円、ワインディング)の特徴や走り方についての座学です。
「初心者はまず、定常円で小さな円をかけるように練習しましょう。不安な方は同乗して教えますので声をかけて下さい」など、わかりやすく教えていただけました。また、クルマの挙動がよりダイレクトに感じることができるように、電子制御(ABSや横滑り防止装置など)はオフにするとの指示をいただきました。
さっそく走行です。
最初に堤選手に同乗レッスンをお願いしました。
まずは、「クルマが滑る」という感覚を身体で覚えることからスタートです。
アクセルを踏むと、クルマのリアがスーッと滑り出します。
また、踏みすぎるとリアが滑るだけでなく、クルッと一回転してしまいます。
このアクセルの踏み具合を堤選手にじっくり見ていただき、それが良かったのか悪かったのかをアドバイスしていただきました。
なかなかこの感覚がつかみづらく、最初はアクセルを踏みすぎてしまい、一回転スピンして、なお後ろ方向に進んでしまうような状況でした。でも、少しずつ良い時の感覚を教えていただきながら、どれくらいアクセルを踏み込めばいいのかをつかむことができました。
アクセルワークがだんだんつかめてくると、次は「カウンターを当てる!」練習です。
リアが出始めたら、すぐにステアリングを(回転するクルマの方向と逆に)切らないといけないのですが、焦ってもいけないし、ゆっくりすぎてもいけない! またステアリングを切りすぎてもいけないので、これは本当に難しかったです。
でも、よくも悪くも自分の操作に対して毎回クルマがその通り反応して、操作がだめな時もうまく操作できた状態もそれぞれ体感することができました。ステアリングを切りすぎれば切りすぎただけクルマは動き、操作が遅すぎればそれだけクルマの動きも遅れる・・・。自分がクルマを操作した結果としてのクルマの挙動を感じることができるので、クルマの運転がとても楽しく感じられた時間でした!
井尻選手にも同乗してアドバイスを頂いたのですが「パイロンを見過ぎてはいけない」、「目線が大切」といったことを教えて頂きました。
最終的には、定常円では小さな円を描くことができるようになりました。さらに、終盤には中くらいや大きな円をかく練習もできました!
今回は路面状況の違いも感じられる場面もありました。
お昼休みから午後にかけて雪が降っていたのですが、雪が降ったことでタイヤがグリップするようになり、滑らなくなったことには驚きました!
見た目は変わっていないように感じたのですが、少しの路面の変化で「さっきまでのアクセルの量では全然滑らない! こんなに違うの!?」と体感できました。氷上走行では、こんなにも色々なことをわかりやすく感じることができたことに感動してしまいました。
氷上走行を体験したことで、もし自分が運転しているときに雪が降ったとしても、慌てず楽しくドライブができそうだなと思いました。
私はあまりクルマの運転に自信がなかったのですが、氷上走行をしたことで、クルマの挙動を知ることや、丁寧な運転の練習もでき、クルマの動きが少し理解できた気がしました。
クルマの運転がもっとうまくなりたい!と思っていたり、氷上走行をしたことのないというみなさんには、是非オススメしたいと思います!
文・写真:梅本まどか
取材協力&写真協力:T by Two CABANA Racing