腕あがりとはオフロードコース走行やロードレースなど、激しい走りを繰り返す場合に起こる症状で、前腕(ヒジから手首までの部分)がパンパンに張って、握力がなくなることを言います。またクライミングでも同様の症状が生じますが、この場合はパンプと呼ばれています。そんな前腕の消耗に効果的なストレッチ器具があります。その名も4 arm strong(フォーアームストロング)。今回はこの器具の効果をテストしてみました。

実際に走行する前のストレッチ時に使用すると効果的です。

 オフロードでジャンプや悪路を走りまくって、握力がなくなった経験がある人も少なくないでしょう。こうなるとハンドルを握っているのがやっとで、それまでのようにジャンプなどもってのほか。走るのをやめなければ治りません。また、これがレース中だったら致命的で、リタイヤの危機と言っても過言ではありません。


 ロードレースの最高峰カテゴリーのMoto GPでは、腕あがりの原因とされる前腕の筋膜を切る手術を受ける選手も多く、ダニ・ペドロサ選手は2005年に、ホルヘ・ロレンソ選手は2007年に、そして2019シーズン唯一の日本人、中上貴晶選手も2018年に手術を受けています。

前腕にこの器具を装着してストレッチします。

 とは言え、一般ライダーが手術を受けるなんて、ちょっと現実的ではないですよね。そこで試してみたいストレッチ器具があるんです。その名も4 arm strong(フォーアームストロング)(1万2960円・税込)。この機器は腕あがりの原因となる虚血状態を抑制し、前腕コンパートメント症候群と腕あがりを防ぐ効果があるとされています。


 使用方法はとてもカンタンで、前腕の筋肉にこの器具を装着し、説明書通りに筋肉を押さえつけてストレッチするだけ。片腕につき7箇所程度でストレッチして、両腕が完了するまで約15分。たったこれだけなのに効果的というから驚きです。


 詳細な使用方法はわかりやすく、細かく丁寧に作られている日本語の取扱説明書が同梱されているので、ここでは省略しますが、実際にこの器具を使用してレーシング走行を行ってもらった感想を聞いてみました。

毎週の走行トレーニングを欠かさないという大沢選手。

 まずはオフロードです。スリランカの最高峰オフロードレース、THE OFF SAPPERS4✕4 Gympoで2018年シリーズチャンピオンとなった大沢健次選手は、「効果は実感しました。何回か使用するうちに、この器具を装着する位置や力加減がわかってくると思います」と、効果を感じ、また、使いこむことでさらに効果が上がりそうだと語ってくれました。

2019シーズンは「ヨシムラスズキMOTULレーシング」から全日本選手権に出場することが話題となっている加賀山選手

 また、ロードレース全日本選手権に出場中の加賀山就臣選手も使用しており、「腕あがりが訪れるまでの時間が長くなった(腕あがりが抑制された)」「腕あがりしてからの回復が早かった」など、その効果を語ってくれたほか、ロードレース全日本選手権のトップライダー数人も、こちらの器具を使用していることを教えてくれました。

クライマーの間では、腕あがりのことをパンプと呼んでいます。

 ちなみに、握力がなくなり、上腕がパンパンになる腕あがりはバイクだけでなく、クライミングでも起こる症状で、クライマー達の間でもこの器具を使用している人が多くいます。そしてその効果は、レーシングライダーとほぼ同じレビューとなっていました。

コチラが4 arm strong の公式WEBサイト
情報提供元: MotorFan
記事名:「 握力低下/腕あがり防止に! 画期的ストレッチ器具を実際に試してみた【上級ライダーやクライマーの悩みを解決】