REPORT◎ニューモデル速報編集部
雪が降ると、俄然頼もしさが増すクルマとは? 三菱 新型デリカD:5(DELICA D:5)雪上試乗記
新型デリカD:5は、三菱自動車のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」や縦型マルチLEDヘッドライトを採用した個性的なエクステリアが特徴となっている。水平基調のインストルメントパネルは、ソフトパッドも使用され、より上質で開放感あるつくりとなった。インパネセンターには、10.1インチの大型モニターをインストールするなど、インフォテインメントも格段に進歩している。
新型デリカD:5は、全車が改良型2.2Lディーゼルターボ+8速AT、4WD駆動のみのため、パワートレーンに迷う要素はない。ではさっそく、購入のポイントを整理してみよう!
従来型にも「ローデスト」というエアロ系のモデルが存在したが、今回はこれを「アーバンギア」という名で、昇格。標準車と並列の存在となった。アーバンギアは、他車でいうカスタム系モデルとして、これまでのデリカユーザー以外の新規顧客を獲得するという大きな目的もある。というわけで、ここではとくに、このアーバンギアをオススメとしたい。標準車のデリカワイルドならしさも魅力だが、イメージがハード過ぎるという人もいるはず。街なかでは普通のミニバンのように風景に溶け込み、実際のオフロードを走らせれば飛び切りの走破性能、というのがアーバンギアの存在意義であり、これまでにない価値だ。対地障害角が標準車に劣ることを心配している人もいるだろう。だが、もともと標準車が相当な能力をもっており、そこに、前後左右のスポイラーが付いたとはいえ、標準車よりは劣るというだけであって、他車ミニバンにたいするアドバンテージは変わらない。よほどのツワモノでない限り、アーバンギアではオフロード性能が足りない、とはならないだろう。
標準車4グレード、アーバンギア2グレードのうち、標準車の最廉価グリード「M(8人乗り)」以外は、7人乗りと8人乗りを選べる。一般的なミニバン同様、使用状況で選べば良いのだが、他社ミニバンでの傾向と比べると、デリカは8人乗りを選ぶ人が多いという現状もある。ただ、アーバンギアの投入により、他車同様7人乗りがやや増える可能性はあるだろう。デリカは他社ミニバンに比べ2列目も3列目も乗員優先でしっかりした造りのため絶対的な積載容量の面では他社ミニバンに劣る部分もある。キャンプ等で使う場合など、7人乗りだと2列目のシート間にも長尺物など荷物を詰めるというメリットもあるから、そのあたりまで含めて検討するといいだろう。
デリカのグレードは下から、「M」「G」「Gパワーパッケージ」「P」の4種類で、アーバンギアはこのうち、真ん中の2グレード「G」と「Gパワーパッケージ」のみを設定する。新型デリカD:5の価格帯は、384万2640円〜420万7680円と、ベースグレードであっても比較的高めの設定だ。上級グレードにオプションを付けると、簡単に乗り出し500万円級になってしまうので、必要がなければむやみに選択するグレードを上げ過ぎないほうが良いだろう。
では、下から見ていこう。新型の大きなウリである、停止保持付きのACC(アダプティブクルーズコントロール)も全車標準であり、「M」も十分にオススメできる。逆にネガポイントを挙げると、「M」のみ7人乗り仕様が選べない。また、「M」以外の全車が18インチアルミを装着するなか、「M」のみが16インチで見た目の印象がかなり異なるため、所有満足という面では、ここではその上の「G」を推奨グレードとしておきたい。元々400万円級のクルマだから、最低限の見た目にはこだわりたい。
推奨グレードの「G」では、18インチホイール装着、7人乗りが選べ、両側スライドドアを装着。オプションだが、マルチアラウンドモニターも選べるから、満足感という意味でも、大きな不満を感じる人は少ないだろう。
2番目のオススメグレードは、その上の「Gパワーパッケージ」だ。追加されるおもな装備は、運転席電動調整機能、運転席&助手席シートヒーター、テールゲート電動開閉機構など。いずれも無くても我慢できる贅沢装備といえる。ただし、スキー、スノボ、キャンプなど、冬でもアクティブに遊び回るユーザーが多いだけに、デリカなら、シートヒーターは付けておきたいところ。「Gパワーパッケージ」にアップグレードするか、「G」でオプション装着を検討しよう。
最上級「P」のおもな追加装備は、マルチアラウンドモニターが標準化され、サイドアンダーミラーが無くなること。また、後側方検知警報や後退時車両検知警報の標準化など。ただしこれらは、「Gパワーパッケージ」または、「GおよびGパワーパッケージ」にも個別にオプション装着できるから、必ずしも「P」を選ばなければならない理由は少ないだろう。
アーバンギアには「G」と「Gパワーパッケージ」の2グレードしか設定されないことからもわかるように、中心グレードは、やはりこの2つだ。推奨グレドは「G」、追加装備の必要性に応じて「Gパワーパッケージ」をセレクトしよう。
インパネ一新で可能になった大型10.1インチモニター。従来型は7インチだからその差は歴然だ。こちらに収まるオプションのオリジナル10.1型ナビゲーションはぜひ装着したいところだ。ナビやオーディオ、ツール、アプリと、4つの機能を一括操作できる「Quad View」を搭載する。価格は27万4968円。
従来型フェイスのデリカも継続併売される。ルックスは従来のままでガソリンエンジンのみ。先進安全機能も装備されないが、圧巻の4WD性能は、新型モデルと大差ない。この機会にデリカD:5に乗ってみたいと思ったなら、ガソリンモデルを検討してみるのもありだ。スターティングプライスは244万9440円からと、新型デリカD:5と比べて圧倒的に手が届きやすいプライスが魅力である。
試乗記、開発ストーリー、メカニズム詳密解説、使い勝手徹底チェックなど、新型デリカD:5のあらゆる情報を満載して、2月23日発売予定!