今回、ステップアップして参戦した全日本ラリー(以降JRC)は、国内ラリーシリーズ戦で頂点に位置するラリーシリーズです。ステップアップして感じたことや、TGRラリーとの違いなどを紹介したいと思います。
TGRラリーは1日のラリーですが、JRCはレッキ(コース下見)を除いて2日もしくは3日間でss(スペシャルステージ/タイムアタック区間)を走ります。TGRの場合、1日で3種類前後のレッキを、そして1回ラリーにつき5~6本のSSを走ります。レッキと本番のSS総距離を足しても200㎞行かないことがほとんどです。
今回のラリーオブ嬬恋の走行距離はというと、3日間で合計7種類(合計32km)のコースレッキを2回、1日6本前後のSSを3日間走るので合計18本のSSを走り(1本のSSの距離は大体2~6km)、今回は3日間で83.69㎞の雪道をSSでアタックしたことになります。
リエゾン区間(SSとSSの間の移動区間)344.08kmを含めると、競技中の総距離は427.77㎞! レッキの距離を含めれば約500kmの走行となりました。
TGRラリーの短いラリーと比べると、約5倍。正直なところ、いきなりこのスケジュールをこなせるのかとても不安でした。
ラウンドによってはラリー本番で使用するラリーカーでレッキをしても良い場合や、レンタカーを使用しなければならない場合など様々です。
今回は初めてレンタカーでのレッキでした。しかもクロエリに割り当てられたのは本番車よりも大きいクルマで、本番車を想定しながらのレッキは難しいです。
コース状況の違いはと言うと、TGRラリーは舗装路の「ターマック」、砂利や土の非舗装路「グラベル」の2種類の路面で昼間の開催です。
コースも下りは比較的少なく、ジャンクション(分かれ道)などはテープなどで塞がれており、危険な箇所には、「!(コーション)」看板が設置されています。
JRCではターマック、グラベルの他に今回の嬬恋のみスノーがあり、夜間の走行もあります。
コースは急な下り坂が当然のようにあり、ジャンクションも危険な箇所も基本的には何もありません。
しっかりとノートを作らないと、道を間違えたり危険な場合もあります。ノート作りはベテランコ・ドライバーの加勢選手にたくさん助けてもらいました。
スノーラリーでは、2駆の車にはチェーン装着が許されるSSがあります。今回は全SSで装着可能で、FFのホンダFITで参戦しているクロエリは、すべてのSSで前輪2本チェーン装着でした。
が!! ほぼ毎回、SS前にチェーンの巻かれたタイヤを交換しました。チェーンを毎回巻くよりチェーンの巻かれたタイヤを交換した方が時短になるそうで、今回は合計で『28回』もタイヤ交換をしました。
これだけで体はボロボロ。さらにチェーンのお陰でストレートですらハンドルを取られてしまうのでしっかり押さえなければならなくなり腕は悲鳴を上げました。
さらに、サービスタイム(車を整備しても良い時間)の違いも大きなものがありありました。
TGRラリーでは、ほぼお昼は休憩状態でしたが、JRCではメカニックのみなさんが細かく車を点検、場合によっては修理してくれます。
走る距離が長いので、小さなダメージでも3日間走ることを考えると見逃せません。
今まで、このサービス風景は見るだけだったので自分の車がチェックしてもらえる環境に感動しました(笑)
「初めてのクルマ」、「初めてのスノー」、「初めての夜走行」と初めづくしでしたが、リエゾンを走ってSSを走ることはTGRラリーもJRCも同じ。やっていることは同じなのに、これほど規模が違うとは想像できませんでした。
大変なことはたくさんありましたが、クスコレーシングは今回6台体制ととても大所帯で、速いクラスに参戦する先輩方や一流のメカニックが大勢いてとても心強かったです。また、地元群馬の開催で多くの方に応援していただき、最後まで諦めず走り切ったらクラス2位!!
できすぎのJRCデビューとなりました。TGRラリーで学んだことが、JRCでも活かせたのではないかと思います。
いきなり3日間は難しいけど、1日ならラリーやってみたいと思ってもらえたら嬉しいです。
次戦は3月の新城ラリー2019です。応援よろしくお願いします。