PHOTO●佐藤恭央、渡辺昌彦、鶴身 健
REPORT●佐藤恭央、増田満、橘 祐一、川島秀俊
MACHINE:スーパーカブ90カスタム
BUILDER:AToRiKA521 ☎0276-55-2995
極上なカブのチョッパーカスタムで知られているアトリカ521からまたもや新たな刺客が登場した!「ビンテージ&ミリタリー」をコンセプトに角目カブ90(セル付き)をカスタムしたマシンだが、無理なく二人乗りもこなせるようにローダウンはせずあえて腰高とすることで、図らずもボバー風のスタイルに仕上がっているのだ。
アーミーグリーンとマットブラックを基調としたカラーリングに加え、メインフレームと追加したサブフレーム間に配したパンチングメッシュのプレートや各部に配したレタリングも、重厚感のあるスタイル作りに一役買っている。
フロントの足周りも見どころだ。CD50用のフロント周りを移植してテレスコピック式のサスペンションに変更。さらに、ブレーキユニットはワンオフサポートを介してCB50用をセットしている。これらの機能的なパーツ類をさり気なくマッチングさせているのもお見事。もちろん、タンデム時にも余裕ある制動力を発揮してくれるのも魅力だ。また、前後リムは1.4J幅から、フロントを2.15Jに、リヤを2.5Jに拡大。これに3.00-17サイズのタイヤを組み合わせてファットな足周りを獲得している。
パーツをそぎ取ってすっきりと見せるチョッパーカスタムを徹底しつつ、必要に応じてプラスαの要素を巧みに落とし込んだ、アトリカ521ならではの一台と言えるだろう。
MACHINE:リトルカブ
OWNER:茶太郎
発売されてから約60年が経ち1億台が売れたスーパーカブだから、イジるにしてもオリジナルスタイルをリスペクトしたい。そう考え外観はあくまでノーマル。でも車高を下げて通称ワンズ管マフラーを付けた姿は獰猛そのもの。カブであることを否定せず、足周りと吸排気パーツの変更で、ここまで走りに振ったスタイルが完成するのだ。
ベースは14インチで車高短にしやすいリトルカブ。フロントはスプリングカット、リヤは300㎜ショックで前後の下がり具合を調整。キャブレターがレッグシールドから突き出ているのも、チューンドエンジンを強調するスパイスとなっている。
MACHINE:スーパーカブ50
OWNER:とりどりん
ロー&ロングのディガースタイルを再現したチョッパーカブ。「これのどこがカブ?」と突っ込みたくなるが、大胆にリジット加工されているものの、よくよく見ればフレームやスイングアームはカブの面影を残しているのがわかるだろう。ホイールやブレーキはリヤにリトルカブ用14インチ、フロントに17インチを用いているが、どちらも純正のままなので、スリムなディガーにマッチしている。
また、ターンアウトマフラー、ティラーバーハンドル、コフィンタンクなど、多くのパーツがワンオフ製作されている。それに対して、エンジンはノーマルのままというのもこだわりにすら感じてしまう。
MACHINE:スーパーカブ110(JA44)
OWNER:小栗亮介さん
ライディングポジションの最適化とカスタムを兼ね、愛車のハンドルを交換する人は多い。ただ、これがスーパーカブとなると一気にハードルが上がってしまう。ご存知の通り、スーパーカブのハンドルはヘッドライト&メーターカウルにビルトインされた設計で、ハンドル単体を好き勝手に変更できないのだ。
しかもスイッチボックスやウインカーもカウルと一体のため、ハンドルを交換するには多くのパーツ移設が必要になる。大変なカスタムだけに、バーハン化のインパクトはカブオーナーほど実感できるものなのだ。
ここに紹介する2台は、どちらも現行スーパーカブのバーハン仕様。モトブランの手によるものだが、当然まだ専用キットなどはリリースされていない。ポイントとなるのは、一番にステムの変更、次にヘッドライトの処理だが、数多く扱ってきたカブカスタムのノウハウから流用できる純正パーツを特定。加工やワンオフステーをプラスすることで、スッキリしたバーハン化を実現する。
現行カブはLEDヘッドライトのため、配線処理にも手間がかかったが、苦労を感じさせない仕上がりはサスガのクオリティといえるものだ。
MACHINE:スーパーカブ110(JA44)
BUILDER:モトブラン
「モトブラン」
京都府京都市下京区中堂寺前田町22-7
☎075-351-3211
10:00~20:00(水曜定休)
●老舗バイクショップである小栗商店のカスタムブランドとして、おもにカブを長年取り扱う。スゴいことをサラリと見せるスマートな仕上がりには、配線1本までこだわりのノウハウを凝縮し、高い完成度を提供してくれる。