REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
その番組で移動手段として使われている電動スクーターがヤマハの『E-Vino(イービーノ)』である。エンジン版ビーノの車体を流用してEV化されたモデルで2015年にデビュー。“レトロポップなファッションスクーター“がコンセプトの可愛らしいデザインが印象的だ。番組の陰の主役でもある『E-Vino』だが、その親しみやすさが番組の主旨にもフィットしていると言えるだろう。
以前、E-Vinoに試乗したことがあるが、操作は簡単でメーター下のメインスイッチを押して右手のアクセルを回せば発進できる。排気ガスを出さないのでクリーンだし、排気音もなく微かなモーター音だけなのでとても静かなのが特徴だ。最高出力などスペック的にはエンジン版Vinoより非力なのだが、出足の良さは電動ならでは。これは瞬間的に高トルクを出せる電動モーターの特性に加え、エンジン版より12kg軽い車体も貢献している。
3つの走行モードが選べるのもメリットだ。最高速はエコな「スタンダード」モードで35km/h程度だったと記憶している。より強力な「パワー」で頑張って40km/h超、最強の「ブースト」で50km/h程度まで引っ張れる。ただし、ガソリン車に比べるとやはり非力なので、上り坂だと加速が鈍るしバッテリーが弱ってくると走りに元気がなくなっていく。
肝心の充電だが、メーカー発表値では約3時間のフル充電で29km走れることになっている。素晴らしいのはその経済性で、1回充電するのに電気代が14円しかかからないこと。タダみたいなものだから気軽に「充電させてもらえませんか!?」とお願いできるわけだ。
ただ、実際には20km程度で電池残量が少ないことを知らせるマークが点灯して「やばいよ!やばいよ!」(笑)ということになる。安心して走れるのは1充電で15kmといったところか。救いなのはシート下にはスペアバッテリーを搭載できること。バッテリー交換はとても簡単で工具なども使わず1分もかからないため、いつも2個積みしておけば安心だ。
クルマも含めEVの性能はバッテリーの性能にかっていると言われている。バッテリーが進化すれば航続距離も伸びて利便性も高いエコな乗り物になっていくはずた。その意味で、電動スクーターは未だ発展途上ではあるが将来性がある。今は辛抱の時なのだ。それまでは、いざとなったら出川流でいくのもひとつの手かもしれない。
認定型式/原動機打刻型式 ZAD-SY11J/Y809E
全長/全幅/全高 1,675mm/660mm/1,005mm
シート高 715mm
軸間距離 1,160mm
最低地上高 95mm
車両重量(バッテリー装着) 68kg
1充電走行距離 29km(30km/h 定地走行テスト値〈標準モード〉)※1
最小回転半径 1.8m
原動機種類 交流同期電動機
定格出力 0.58kW
最高出力 1.2kW(1.6PS)/3,760r/min
最大トルク 7.8N・m(0.80kgf・m)/330r/min
バッテリー種類/型式 リチウムイオン電池/ESB4-0
バッテリー電圧/容量 50V,10AH(10H)
バッテリー充電電源 定電流・定電圧充電
充電時間 約3時間 ※2
駆動方式 ギア
1次減速比 9.400
フレーム形式 バックボーン
キャスター/トレール 24°05′/70mm
タイヤサイズ(前/後) 90/90-10 41J(チューブレス)/
90/90-10 41J(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 機械式リーディング・トレーリング(ドラム)/
機械式リーディング・トレーリング(ドラム)
懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ/12V,35/35W×1
乗車定員 1名
※1 充電走行距離(定地)の測定条件/標準モード、乗員55kg、バッテリー新品、気温25℃、乾燥路面、無風
※2 バッテリー新品、バッテリー残量ゼロから満充電した場合。充電時間は充電環境に左右されます。最適な環境温度は15℃~25℃です。
※ E-Vinoの運転には原動機付自転車運転免許が必要です。
※ 本製品は日本国内のみの販売となります。
1充電走行距離は道路状況、走行モード、走り方、気温、車載重量などによって変わります。表記の走行距離は定地走行テスト値であり、1充電走行距離を保証するものではありません。
本仕様は予告なく変更することがあります。
仕様変更などにより、写真や内容が一部実車と異なる場合があります。
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当製品は、ヤマハ海外工場 Yamaha Motor Taiwan Company, Ltd.(ヤマハモーター台湾)にて、日本向け仕様として生産されたものです。