しめ飾りができると子供は大黒柱に呼ばれ、氏神様へ奉納しに行くように言われ、その間、大黒柱は家屋などにしめ飾りをつけるのが、大晦日の風物詩だった。 そのしめ飾りにはみかんも添えられていた。そして、小正月の1月15日。どんど焼きといわれる火祭り行事が行われ、しめ飾りや松飾りを燃やし、そして一緒に焼いたみかんを取り出しそのみかんを食べ一年の無病息災・五穀豊穣を祈っていた。
大晦日からちらほら、正月にはほとんどの家庭でしめ飾りを掲げる家も多く、同時に、しめ飾りをつけたクルマをあちこちで見かけ、正月気分を盛り上げてくれたものだった。 それから数十年、最近では、しめ飾りをつけたクルマを皆無といっていいほど見かけなくなった。 前出の地方都市の農村部の大黒柱は、取り付けたしめ飾りが走行中に落ちるとよくないと考え車内後部座席にみかん付きのしめ飾りを置いていた。ひょっとして今は、その傾向にあるのかとも考えてみる。 が、某地方都市の公立学校教職員に聞いたところ、「最近はクルマどころか、家屋への飾り付けも見なくなった」とのこと。また、同じく某地方都市の飲食店従業員に聞いたところ、やはり同じような回答だった。 大都市圏だけでなく、地方都市でも、しめ飾りをする風習はなくなってしまったのだろうか。
平成最後となる元朝、東京・池袋で、どれくらいのクルマがしめ飾りをつけているのかウォッチしてみた。結果、ゼロ。 やはりこんなものなのかな、と思い観測場所を後に。だが……。 移動中、都内某所のコインパーキンでしめ飾りをつけたクルマを発見。やはり今でも、しめ飾りの風習は残っていたんだな思っていたところ、約40台中、そのクルマ1台だけだった。 多くのクルマは車内にしめ飾りを置いているのかもとも思ったが、さすがに覗くわけにいかなかった。 というわけで、極めて狭い範囲内ではあるが、しめ縄をつけたクルマの調査報告でした。みなさんはどうしていますか。 ともあれ、2019年も安全運転で、楽しいクルマライフを送りましょうね。