言うまでもなく、北海道は積雪や路面凍結など、過酷な道路環境という地域的な事情があるだけに、LHなどの路面にループコイルを埋めるタイプと交代というわけにはいかない。が、最新型の固定式オービスはなかなか普及しないレーダー式のセンシスSSSを除けば、東京航空計器㈱製のループコイル式(LH、新型L)のみ。さぁ、どうする!?
☆撤去オービスDATA
場所:北海道上川郡比布町北3線
道路:国道40号線
方向:旭川方面
機種:Hシステム
速度測定方式:レーダー式
制限速度:60km/h
撤去されたのは、士別方面から旭川方面へ向かう、国道40号線に設置されていたHシステム。設置場所は北海道特有の、いかにもスピードがのりそうな直線路(写真参照)。制限速度は日本で許される一般道での最高速度60km/hだが、この道を制限速度以下で延々と走るには、かなりの忍耐力が必要となる。
当情報局では、この夏の定期調査で現地を取材しているが、通過するほとんどのクルマが、いくばくかの速度超過を犯していても不思議はない。というか、周囲の現実的な交通環境からして、制限速度を維持しにくい(「あおり運転」の元凶になりそう?)状況にあるのだ。
とはいえ、それを取り締まる方も実は大変。圧倒的な広さに加えて、夏と冬で大きく交通環境が変わることからだ。しかも、交通事故が少ないとは言えない北海道全土に渡ってオービスが76機も設置されている理由がよくわかるというものだ。
が、その強い味方であったはずの「Hシステム」の製造メーカーである三菱電機㈱の撤退で、すべて撤去対象となってしまった。しかも、新しいものに代えようとしても地域的な事情に見合った機種が見当たらない。まさに将来的に見て、八方ふさがりの状況というわけだ。
そこで、噂になっていたのは、すべてのHシステムを、今、絶賛運用中のレーザー式オービスにしようとしているのでは? ということ。なにしろ、現在はもう撤去されているが、国道36号線の苫小牧市美沢で、レーザーパトカーが搭載しているレーザー式可搬式移動オービス、LSM-100が、無人で試験運用されていたという事実がある。さらに大阪では、国道432号線で、撤去されたHシステムのアーチを再利用し、LHシステムの撮影端末を設置、計測は路肩のレーザースキャンセンサーで行うという、実質的なレーザー式固定オービスが登場している。アーチが流用できるということは、まさに北海道にはお誂え向きなのだ。
現在、他にも2機が撤去されたという情報が入っており、現在確認中だが、今後も徐々に、撤去されて行くことは間違いない。その代わりが見当たらない以上、当分は、これも北海道名物と言われるレーザー&レーダーパトカーによる取り締まりが強化されるはず。レーダー探知機の効くHシステムより遥かに強力なポテンシャルを誇るだけに、Hが無くなったからといって油断は禁物。逆にネットなどのレーザー&レーダーパトカーの出没情報をカーナビにマーキングする等、自己防衛レベルをアップさせておいた方がいいかもしれませんよ!