その理由として考えられるのが、まず、撤去費用。オービスというのは高速道路と国道に設置する際、その費用は国の負担となるが、実は、撤去費用は各都道府県の負担。機器代を除いた設置費用は数百万円と言われているが、たぶん、撤去にも同じくらいのコストがかかるはずだ。特に財政難にあえいでいる地方自治体にとっては、一気に予算を計上するというのは難しい話。特に設置数が70機を超える北海道や東京都、オービス銀座と呼ばれる路線を抱える愛知県や兵庫県などで、思うように撤去が進まないというのもうなずける。
また、オービス自体の抑止力も捨てがたい。ご存じのとおり、オービスによる取り締まりエリアには本体だけではなく、事前の予告板も設置されている。例え、本体が耐用限界を超え、半ばダミー化していたとしても、そこにあるだけでドライバーに対して抑止力を発揮してくれるのだ。つまり、いずれは撤去するにしても、早急に撤去する必要さえなければ、残しておいたほうがいいという考えもある。事実、秋田県警のようにレーダーのカバーだけ残して、抑止力を発揮させているところもあるくらいだ。
というわけで、当分、固定オービスの撤去は遅かれ早かれ進んでいくことには間違いない。もちろん、撤去一辺倒ではなく、チラホラと新規オービスも出現している以上、警察が固定オービスを見捨てたわけではなく、逆に、固定オービスと移動オービスの合わせ技で検挙率を上げるという戦略を進めているということがわかるはず。東京オリンピックの年、2020年までに「交通事故死者を2,500人以下にする」という命題に向け、警察がどんな手を打ってくるのか、見守っていきたい。
☆2018年撤去オービスリスト
◆東日本
◆中日本
◆西日本
2017年の撤去オービスはこちら!完全撤去せずに2次利用してるおちゃめな話題はこちら!