STのマイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるDaniel Colonna氏は、次のようにコメントしている。「すでに多くのお客様がTouchGFXを活用し、STM32で動作する新システムにおいてスマートフォンのような操作性を実現しています。最新バージョンのTouchGFXを、STM32Cube開発エコシステムに統合し、ライセンス / ロイヤリティ・フリーで、STの10年間の長期供給保証の対象として提供することで、世界中の開発者が強力かつ革新的なソリューションを手軽に利用できるようになります」
STM32ですぐに利用可能なTouchGFXは、ユーザ・インタフェース・コードを実現するC++フレームワークはわずか10KBのSRAMと20KBのFlashメモリしか占有しない。そのほか、STM32に搭載され高度なグラフィック機能を備えたChrom-ART Acceleratorを活用でき、ピクセルの更新を最小限に抑えるレンダリング・アルゴリズムも実装しているため、メモリや消費電力が限られていても優れたグラフィックと滑らかなアニメーションを実現することができる。色深度が1、2、4、16、24 bpp(bit毎ピクセル)のユーザ・インタフェースに対応するTouchGFXは、リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)の有無にかかわらず動作する。
さらに、付属のTouchGFX Designerツールは、ドラッグ・アンド・ドロップ操作で簡単にグラフィック・インタフェースを開発することができるほか、自動コード生成機能やフォント、テキスト、画像の変換機能も備えている。
STM32Cubeパッケージと完全に統合されているTouchGFXは、STM32CubeMX初期設定ツールと相互運用が可能で、統合的なプロジェクト環境でGUIとメイン・アプリケーションをシームレスに開発できる。さらにSTM32CubeMXには、グラフィック設計プロジェクトを円滑に実行するための新機能として、適切なマイコンを簡単に特定できる高度な検索機能、性能を評価するグラフィック計算機能、対象とするハードウェアのグラフィック動作を確認するシミュレータなどが追加されている。
TouchGFXバージョン4.10は、www.st.com/stm32gui からSTM32Cubeファームウェアをダウンロードすることで無償で利用できる。