レポート日:2018年12月3日
オドメーター:1万2078km
TEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
大きい声では言えないが、実に約一ヶ月ぶりにMFカジャー号に乗って取材へと向かった私。担当者らしからぬ放置っぷりには反省することしきりであるが、どうにも別の広報車をお借りしての撮影がず〜っと続き、MFカジャー号には乗りたくても乗れなかったのであります。
とはいえほかの編集スタッフにはこよなく愛されており、オドメーターはつい先ほど1万2078kmを刻むに至った。8月1日の納車時が5057kmだったから、4カ月で7000kmを走ったことになる。
で、本日早朝、久々にMFカジャー号で取材先へ向かった私ではあるが、なんだか以前と様子が違うような気がしたのである。
レポートVol.7でもお伝えしたとおり、MFカジャー号には低速時の乗り心地に若干の難があった。路面が荒れていたり、目地段差を越える際などに、車体がユサユサッと揺すられるような動きを見せるのだ。
「4500kmを走って見えてきたカジャーのマルとバツ〈ルノー・カジャー長期レポートVol.7〉」はこちら
ところが今日は、そんないやな挙動がずいぶんと抑えられているというか、ほとんど不快さを覚えない。もともと速度を上げていくと突き上げがマイルドになっていったのだが、今日のMFカジャー号は、低速域でも高速域……とは言わないまでも、1カ月ほど前に例えれば中速域に相当するようなフィールを感じさせるのである。
「慣らしも終わり、アタリが出てきてフィールが良くなった」とは、筆者が学生の頃にはよく耳にしたフレーズで、とりわけフランス車やイタリア車のようなラテン系のクルマはアタリが出るまでに時間がかかると、俗にエンスーと呼ばれる先輩方によく講釈されたものだ。
確かに、それはある程度は真実だろう。学生の頃どころかほんの数年前の話だが、筆者の所有するカワサキのスーパースポーツバイクは、新車で購入した直後は3速に入りにくくて壊れているのかと思った。ところが500kmを超えたあたりから気持ちいいほどにスコスコと入るようになったのだ。
とはいえ1万kmを超えてから本領を発揮し始めるなんて、MFカジャー号よ、ちょっと遅すぎじゃね?
まぁ、このフィールが向上したという手応えにもイマイチ確信がなく、明日になったらどう感じるかわからない。ほかの編集スタッフにも意見を聞いてみたい。ただ、本当にこのまま乗り心地が良くなっていったら、それは誠に喜ばしい限りである。