REPORT●浜先秀彰(HAMASAKI Hideaki)
クラリオンのカーオーディオブランド、アゼストから1993年にリリースされた「NAX-700(当時価格:31万5000円)」。この頃はGPSナビが多くのメーカーから次々とデビューしていたが、いずれもGPSのみによる測位のためトンネルに入ると自車位置マークが動かなくなってしまったり、ビル街では表示があいまい(海の上を走ることも珍しくない)になるのが当たり前だった。
そこでクラリオンでは前年にリリースされた自律方式のマップナレーションシステム「NAC-200」で培った技術にGPSを組み合わせた「ハイブリッド測位」を開発。「GPS」、内蔵の「ジャイロセンサー」、車両から取得する「車速信号」の3つの情報を組み合わせて自車位置マークが止まることのない正確な表示を自車位置実現した。これは業界初となるもので、だれもが驚かされた。
その後「ハイブリッド測位」は他メーカーもこぞって採用することになり、現在ではスタンダードな測位方式となっている。
また、このモデルでは進行方向がつねに上になる地図表示「ヘディングアップ」や、ライトの点灯に合わせて地図画面色を変更する「ナイト画面表示」など当時としては先進の機能を備えていた。組み合わせるモニターにはAVユニットも用意され、「VAX-777A(
当時価格:15万5000円)」は2DIN(横幅180mm×高さ100mm)サイズボディに4型ディスプレイやカセットデッキ、テレビチューナー、パワーアンプなどを内蔵。CDチェンジャーコントロール機能も搭載していた。