そんなわけで日本上陸をはたしたばかりのアウディA8とメルセデス・ベンツSクラス、BMW7シリーズのロングホイールベースモデルのサイズなどを並べて比較してみた。グレードはAMGやMなどのとんがり系ではなく、そこそこハイエンドグレードからエンジンと価格が揃うように選んだ。
アウディA8 L 60 TFSIクワトロ
全長×全幅×全高=5300×1945×1485mm
ホイールベース=3130mm
車両重量=2180kg
メルセデス・ベンツS560 4マティック・ロング
全長×全幅×全高=5255×1900×1495mm
ホイールベース=3165mm
車両重量=2220kg
BMW 750Li Mスポーツ
全長×全幅×全高=5250×1900×1485mm
ホイールベース=3210mm
車両重量=2140kg
もっとも全長が長いのはA8だが、ホイールベースが長いのは7シリーズ。A8の全長5300mmに対して、7シリーズは50mm短い5250mmだが、ホイールベースは反対にA8の3130mmに対して、7シリーズは80mm長い3210mmとなっている。ショートオーバーハングによるダイナミクス追求はBMWのフラッグシップサルーンにも根付いているということが確認できた。車重ももっとも軽量なのは7シリーズで一部カーボンボディの面目躍如といったところか。
全高はどれも似たり寄ったりだが、全幅はA8のみ1945mmと2mの大台も視野に入れたワイドボディだ。Sクラスはすべて中庸だが王者の余裕だろうか。
アウディA8 L 60 TFSIクワトロ
エンジン 3996ccV型8気筒ターボ(最高出力:460ps(338kW)/5500rpm 最大トルク:660Nm/1800-4500rpm)
メルセデス・ベンツS560 4マティック・ロング
エンジン 3982ccV型8気筒ターボ(最高出力:469ps(345kW)/5250-5500rpm 最大トルク:700Nm/2000-4000rpm)
BMW 750Li Mスポーツ
エンジン 4394ccV型8気筒ターボ(最高出力:450ps(330kW)/5500rpm 最大トルク:650Nm/1800-4500rpm)
V8そろい踏みというのは、最近のダウンサイジングの流れからすれば、そわそわしてしまうようなラインナップだ。アウディとメルセデス・ベンツの4.0ℓに対してBMWのみ4.4ℓとなっている。だが出力とトルクは示し合わせたように、450ps〜470ps、650〜700Nmで並んでいる。
アウディA8 L 60 TFSIクワトロ
燃料消費率(JC08)=8.7km/ℓ
車両本体価格=1510万円
メルセデス・ベンツS560 4マティック・ロング
燃料消費率(JC08)=9.0km/ℓ
車両本体価格=1681万円
BMW 750Li Mスポーツ
燃料消費率(JC08)=9.8km/ℓ
車両本体価格=1784万円
こういうエキゾチックなクルマを社用車にするくらいだから、官庁系であるはずはない。つまり、あんまり価格や燃費を気にして選定するはずはないだろうが、いちおう参考までに示した。アウディ安! 燃費悪! という結果だった。ただし価格はまあ、日頃のディーラーとのつきあいで変わってくることもあると思うし、燃費はAWDということも加味しなくてはならないので、いざという時の安心をとるか日常の燃費をとるかだろう。
そしてエンジンスペックは(今回比較したグレードラインナップで)最強ながら、それ以外はすべて真ん中というメルセデス・ベンツに不気味な余裕も感じた。よそとは違う社長車を! と考えている社長が参考にしてくれれば幸いだ。