ブランドや車種の個性が表れるのは、デザインやメカニズムだけとは限らない。例えば、収納スペースもそのひとつ。ユーザーが少しでも使いやすいように創意工夫が凝らされている。そのこだわりをチェックしてみた。
2013年に登場するや、流麗かつ力強いスタイリングとファミリーユースにも使えるほどの広大な空間、そしてハイブリッドの低燃費など、隙のない完成度で人気車に名を連ねた「ヴェゼル」。2018年2月にマイナーチェンジを迎えた現行型では、内外装だけでなく走りの質感も向上し、全車にHondaSENSINGを搭載するなど、後発の競合車と比べてもまだまだ戦えるだけの実力を身に着けた。なお、今回紹介するのはマイナーチェンジ前のモデルだが、収納類に違いはない。
限られた空間を余さず使い尽くす
インパネやセンターアームレストにあしらわれたレザーの質感に目を奪われるが、機能性も見所。シフトレバーの下には空洞が設けられており、スマートフォンや財布などの収納に役立つ(写真③部分)。また、センターコンソールのドリンクホルダーは底の高さを調整でき、500mlだけでなく、缶コーヒーのような背の低い飲み物も入れられる(写真⑤部分)。
①サンバイザーのチケットホルダーはベルト式。サッと挟めるだけでなく、はがきサイズのカードまで対応するので利便性が高い。②グローブボックスの幅は300mm、深さは230mmを確保しており、保湿タイプの大型ボックスティッシュも楽々収まる。③センターコンソールはブリッジ形状。下部はCDなどを置けるトレーと両サイドにはスマホが納まるポケットを備える。④ハイブリッド車はセンターコンソール最前部にトレーを用意。小銭やタブレットケースなどを置くのにちょうどいい。⑤センターコンソールにある2本分の前席用ドリンクホルダーは、高さ、幅をはじめ、さまざまなボトルの形状にも対応するふたつの仕掛けが組み込まれている。底面の深さは2段階。かつ1本ずつ調整可能。500mℓペットボトルを入れてもセレクトレバー操作の邪魔にならない配慮だ。ワンタッチで開くフラップも設けられ、細缶もしっかりとホールドできる。アームレストは使いやすい位置に前後スライドが可能。⑥センターコンソールボックスはコンパクトで、深くなっている前部の深さは120mmほど。後方は浅いトレー状だ。⑦フロントドアポケットはドリンクホルダーに加えて、小物が収まるスペース。電動シート車はメモリースイッチがあり、間口が少し狭い。⑧リヤドアのポケットは、ドリンクホルダーのみとなる。後席のドリンクホルダーは、センターコンソールと合わせて計3本分が用意される。⑨センターコンソール後方のドリンクホルダー。DC12Vアウトレットも備わり、電子機器を充電する際も重宝するだろう。⑩助手席側のみだったシートバックポケットが、一部改良で運転席側にも備わった。A4ワイド版の冊子も楽々入るサイズ。