REPORT●大家伝(OYA Den)
フラットトラックレースへの復帰1年目にしてシリーズチャンピオンを奪取したINDIANを語る上で、欠かす事のできない存在が、参戦車両のFTR750である。このFTR750と同様のスタイルを持ちつつ、ストリートリーガルとしての可能性を探ったワンオフのコンセプトモデルを経て、ついに量産車としてラインナップに加わったのがFTR1200とFTR1200Sである。
インターモト2018で発表されたこれら2台は、FTR750譲りのデザインが施されたボディに、約120PS(90kW)の新型1203cc/水冷Vツインエンジンをインストール。それでいて軽快なハンドリングを実現している。加えてブレンボ製ラジアルマウントディスクブレーキを備えたサスペンションは、スポーティな乗り心地のトレリスフレームに組み合わせるとともに、燃料タンクは低重心化とマスの集中化を目的にシート下へ設置。リヤサスペンションとスイングアームのデザインはFTR750と同様とする他、リヤタイヤには新開発のDunlopストリート用を採用。
またユーティリティ面では高速充電USBポートやフルLEDヘッドライトを備える他、快適な乗車のためのクルーズコントロールなども装備する。
「これは非常にエキサイティングなプラットフォームであり、設計プロセスに多大な時間と専門知識とエネルギーを費やした結果です」と話すの、インディアンオートバイシニアデザイナーのリッチ・クリストフ氏。
エンジンスペックを見ると、最高出力は前出の通り、約120PS。最大トルクは115Nmを絞り出す。シリンダーヘッドは高流量に設計し、圧縮比は12.5:1。軽量設計のクランクシャフトは、低慣性化により鋭いピックアップを実現。これと合わせてスロットルボディもデュアルタイプを選択する事で、最適なスロットルレスポンスと動力伝達を可能とした。
なおTR1200Sのみの装備としては、カスタマイズ可能な4.3インチ・ライドコマンドLCDタッチスクリーン、ABSトラクション制御、ウィリー軽減制御、スロットル応答トラクションコントロール式3段階ライドモード(スポーツ、スタンダード、レイン)といった電子制御などとなる。