HORIBAのグループ会社であるホリバ・ヨーロッパは、電動化車両用バッテリーや燃料電池のテストベンチ開発・製造販売を行うFuelCon AG(フューエルコン)の買収手続きを9月末日に完了した。これをもってFuelCon社は、HORIBA FuelCon GmbHとなり、HORIBAグループ内で電動化車両用バッテリーや燃料電池の計測を牽引するとともに、世界の自動車産業における電動化開発に貢献していく。同社グループは自動車産業だけでなく、気候変動と大気の質が環境に与える影響、エネルギーの自給とセキュリティ、消費者への比較的安価な燃料と電力の提供といった世の中の課題にも貢献できるよう取組んでいく。

 HORIBAグループは、世界で急速に拡大する電動化車両の開発において、より高度で複雑な計測技術の要求に対応すべく様々な投資を推進している。2015年には、自動車開発のエンジニアリング・コンサルティング事業などを行うイギリスのMIRA社(現ホリバMIRA社)を買収し、電動化車両の開発技術やエンジニアリング能力を獲得することで、次世代モビリティ開発へのさらなる貢献を果たしている。また、MIRA社の電動化車両開発技術やFuelCon社の評価設備を投入した電動化車両用バッテリーや燃料電池などの評価試験室を「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」(滋賀県大津市)に建設する(2019年5月竣工予定)。




 これらMIRA社や FuelCon社の技術と、長年培ってきたHORIBAの自動車開発に関する分析・計測技術を統合し、事業領域のさらなる拡大と新たな製品・サービスの拡充を進める。

HORIBAの技術とのシナジーについて エネルギー社会に貢献

 FuelCon社のグループへの加入や、HORIBA BIWAKO E-HARBORにおける電動化車両用バッテリー、燃料電池の評価試験室の建設など、現在HORIBAグループは、自動車市場の急速な変化に伴い、自動車計測ソリューションの拡大、増強をすすめている。また、自動車計測だけでなく、電池や燃料電池素材の粒子・素材・表面分析などの分析・計測も同社グループの技術がモビリティの材料開発に貢献していく。加えて、カリフォルニア大学アーバイン校の新研究所設立を支援(2018年8月に発表)し、発電などのエネルギー全体の視点から環境を配慮したゼロエミッション車の研究にも関わっていく。




 具体的にはアーバイン校が研究するガスはもとより、スモッグ、酸性雨、健康被害の原因となる汚染物質を排出しない自動車、燃料のサプライチェーン、モビリティシステムを開発、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを現在よりも高い割合で組み入れることになるグリッドとゼロエミッション車を統合的につなぐことなどに支援する。




 このように自動車産業だけでなく、エネルギーと環境の分野で直面する課題への解決策を追求するため、エネルギー産業全体にHORIBAの分析・計測技術を提供していく。

HORIBAの燃料ガス計測/水質計測/素材分析/自動車計測技術がエネルギー産業に貢献

【FuelCon社について】


会社名:FuelCon AG


設立:2001年


本社所在地:Magdeburg-Barleben, Sachsen-Anhalt, Germany


従業員数:62名


事業内容:燃料電池試験設備, バッテリー試験設備


売上高:11,504千EUR(2017年実績)


主要顧客:Volkswagen、Audi、BMW、Hyundai、Bosch


WEBサイト;www.horiba-fuelcon.com
情報提供元: MotorFan
記事名:「 HORIBA:電動化車両用バッテリーや燃料電池のテストベンチ開発・製造販売を行う「FuelCon AG」の買収完了