今回、高速度カメラを搭載した特殊試験機の開発により接地状態を可視化し、真実接触部を識別することに成功。さらに、接触画像を数値化する解析技術の確立により、ゴムの吸水性や排水性を数値的に評価することに成功した。
特殊試験機では氷あるいは氷を再現した透明で平滑な円盤とゴムサンプルを最大時速50kmで摩擦させ、その接地面のミクロレベルの画像を高速度カメラで1秒間に100万枚撮影することができる。また、試験中の摩擦力を同時に測定する。この試験機で撮影した画像は真実接触部のみを黒く映し出すことができ、例えば吸水剤ありと吸水剤なしのゴムでは前者の方が黒い部分の面積が広くなることがわかった。さらに接触面積を摩擦力と関連づけるために新たに開発した解析技術で画像を数値化した結果、算出した数値はゴムの摩擦力と高い相関関係があることを明らかにした。
横浜ゴムは、2018年からスタートした3カ年の中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」のタイヤ消費財戦略において「ウィンタータイヤ戦略」を掲げ、「国内、欧州、ロシア・北欧向けウィンタータイヤで性能No.1」を目指している。今回開発した技術は国内向けのスタッドレスタイヤをはじめ、欧州向けウィンタータイヤ、オールシーズンタイヤなど冬用タイヤの開発に幅広く活用し、「性能No.1」に向けた商品開発をさらに加速していく。