この革新的な技術は、高い熱出力密度を提供するだけでなく、ダイレクト温度センシングも可能にする。ボルグワーナーの高電圧クーラントヒーターの多様な設計は、180Vから800Vまでの供給電圧の用途に最適で、3kWから9kWまでの出力範囲に対応し、幅広い用途に適している。さらに、インテリジェントな安全コンセプトは、高電圧クーラントヒーターが高電流で過熱するのを防ぐ。このシステムは、さまざまな状況を認識し、それに応じて反応可能だ。
この高電圧クーラントヒーターは、シングルプレートとデュアルプレートのふたつのバージョンで提供が可能。シングルプレートはバッテリーのサーマルマネジメントまたは車内ヒーティングのいずれかを提供し、デュアルプレートヒーターは、サーマルマネジメントと車内ヒーティングを同時に管理する。
さらに、デュアルプレートヒーターは、2枚のヒータープレートを備えているため、シングルプレートよりも最大で80%広い熱伝導面を提供する。いずれのバージョンも、優れた防磁を可能にする堅牢なアルミニウム製のハウジングに組み込まれている。この場合のヒートパッケージはクーラントで覆われているため、熱出力損失を最小限に抑え、高効率性を実現し、バッテリー駆動による航続距離を伸ばす。
ボルグワーナーのヒーター製品シリーズには、この他にも先進技術が含まれており、その一例がキャビンヒーター製品シリーズに含まれるエアヒーターだ。このシステムは、低電圧だけでなく高電圧向け用途にも適しており、廃熱に関係なく作動し、PTC(正温度係数)コンポーネントを使用している。このPTCキャビンヒーティング技術は、車内を静かに素早く暖める一方で、業界初となるデュアルゾーン機能を促進する。このエアヒーターには多様な安全機能も組み込まれている。このような数々のキャビンヒーターは、世界中のさまざまな用途に対して途切れることなく生産されている。
ボルグワーナーのエミッションおよびサーマルシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール氏(Joe Fadool)は、「EVおよびHEVに対する需要が高まる中、サーマルマネジメントに注目が集まっています。当社のエンジニアは、日常的な使用で迅速な温度反応を実現するために、柔軟で効率的な2つのシステムを開発しました。ヒーティングソリューションにおける当社の専門知識は、自動車メーカーが自社で応用する際に全体的な効率性が高まるようにし、新たなモビリティ動向とクリーンな車両に対する需要を満たせるよう貢献します」と述べている。