REPORT●青木タカオ(AOKI TAKAO) PHOTO●太宰吉崇(DAZAI YOSHITAKA)
70〜90年代のラインナップを知る世代なら懐かしいだろう。かつては各メーカーから出揃っていたフルサイズの125ccオフローダー。4ストと2スト、それぞれで250や200があれば125もほぼ必ずと言っていいほど2本立てとして存在していた。
大型バイクを所有している人のセカンドバイクになったり、あるいはビギナーの入門用バイクとして重宝されたり、はたまたエンデューロで小回りが効いて地味に速かったりと、活躍の場は広く根強い人気があった。
ここでいうフルサイズとは、フロント21インチ、リヤ18インチの足まわりを持つ250クラスと変わらない大きさのオフロードバイクであり、国内の現行ラインナップを見ると、悲しいかなその姿はなくなってしまっている。
昨今、原付二種スクーターが活気づいて125ccクラスの利便性や経済性、手軽さは世間に少しずつ浸透しつつあるが、機動性の高い125ccオフローダーの存在は忘れられてしまっているような気がしてならない。しかし、イタリアンメーカー・アプリリアが「RX125」というモデルをリリースしているのだ。かつては2ストローク・シングルエンジンを積んだモデルだったが、新たに開発した4スト水冷単気筒でフルモデルチェンジし再デビュー。絶滅寸前の125ccフルサイズトレール、一体どんなバイクなのだろうか……?
高速道路には乗れないが、郊外へツーリングに出掛けてもさほど疲れないだろう。ゆったりとしたライディングポジションと硬めでコシのあるシートで、長時間の走行も苦にならないからだ。普段は通勤通学の街乗りメインでフル稼動し、休日は林道などダートを目指したツーリングへ。現存する貴重な125ccフルサイズオフローダーは、そんな使い方を想像せずにはいられないオールマイティな1台だった。
全長×全幅×全高 2,115mm×820mm×1,170mm
シート高 905mm
車両重量 134kg
エンジン 4ストローク水冷単気筒 DOHC 4バルブ
総排気量 124.2cc
ボア × ストローク 58 mm × 47 mm
最高出力 15HP/10,700rpm
最大トルク 11.3Nm/8,000rpm
燃料供給方式 電子制御燃料噴射システム、マレリ製Φ32 mm スロットルボディ
点火方式 電子制御イグニッションシステム
潤滑方式 ウェットサンプ
始動方式 セルフ式
トランスミッション 6速リターン
変速比 (1 速)11/33 (2 速)15/30 (3 速)18/27 (4 速)20/24 (5 速)25/27 (6 速)23/22
一次減速比 29/69
最終減速比 13/69
クラッチ 湿式多板クラッチ
燃料タンク容量 7.5 L
フレーム ツインチューブスチールフレーム
サスペンション(F) Φ41 mm テレスコピック倒立フォーク
ホイールトラベル 240mm
サスペンション(R) スチール製スイングアーム、プログレッシブリンク式モノショック ホイールトラベル 220mm
ブレーキ(F) Φ260 mm ウェーブディスク
ブレーキ(R) Φ220 mm ウェーブディスク
ABS ボッシュ製 9.1ML
ホイール(F) 1.85 x 21
ホイール(R) 2.15 x 18
タイヤ(F) 90/90-21
タイヤ(R) 120/80-18