複合一貫輸送プラットフォームにより、moovelは都市やその公共交通機関の様々なモビリティ・プロバイダーを統合することができる可能性を秘めている。MaaSプラットフォームは都市の交通を最適化することを期待されており、moovelはこれを「アーバン・モビリティのオペレーティングシステム」と位置付けている。
これのカギとなるのがモビリティ・アプリだ。ユーザーはアプリを通じて公共交通機関のチケットを予約・購入したり、カーシェアリングやレンタル自転車などの予約もすることができる。例えば、シュツットガルトのユーザーは2015年からバスや地下鉄、ドイツ鉄道、car2go (カーシェアリングサービス)、mytaxi (タクシー配車サービス)の利用のチケット予約や購入をすべてmoovelアプリでできるようになっている。moovelはほかにもハンブルク、カールスルーエ、アシャッフェンブルクの都市にも同様のサービスを提供している。moovelグループの北米代表はオレゴン州ポートランドに位置しており、モバイルチケッティングアプリのマーケットリーダとして成功している。moovelは過去12か月の間にユーザー数が約71%、数にして2百万人も増加した。
moovelグループCEOの Daniela Gerd tom Markotten氏はユーザー5百万人突破について「わが社のサービスに5百万人ものユーザーが利用していることは素直に満足だ。MaaSのパイオニアとして我々は今後も都市のモビリティを統合・単純化し、人々の生活水準向上に努めたい」とコメントした。2018年7月のインサイドパートナーズによる研究結果によると、MaaS市場は世界中で大きく成長すると予想されている。同社によるとMaaS市場は2018年から2025年までの間は年間33.5%近くの成長があり、2025年には 35.8億ドルの市場規模になると予想されている。
アプリベースのシェアライドは交通の最適化および公共交通機関の普及への効果的な第一歩であり、MaaSには欠かせない要素だ。シュツットガルトでは今年6月よりmoovelのAIを搭載した 「SSB Flex」モビリティ・サービスを提供している。 シュツットガルトの公共輸送会社(SSB)が運営しており、同サービスはドイツ道路交通法に準拠すると認可された最初の定期旅客サービスだ。
SSB Flexアプリはmoovelのオンデマンド・アルゴリズムをベースにしており、ライドシェアリングを実現するためユーザーの様々な経路検索から最適なルートを探し出す。ユーザーがA地点からB地点までいち早く到着できるようルートは常に最新の計算・検索がなされており、リアルタイムの交通情報や公共交通機関の運行情報も取り入れられている。また、その時間帯の利用者をあらかじめ予測しておくことで最適なフリート運営が可能になっている。