REPORT●栗栖国安(KURISU Kuniyasu)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
復活してほしいバイクNo.1候補(!?)「ヤマハ・セロー」〜誕生からの30年を振り返る〜
【564,840円】水冷エンジンじゃないのが嬉しい!? 新型セロー250発売/ヤマハ
■新型セローの主な変更点■
・第三次排出ガス規制対応
・最高出力:18PS→20PS
・最大トルク1.9kgm→2.1kgm
・燃料タンク容量:9.6 ℓ→9.3 ℓ
・60km/h定地燃費値:40.0km/ℓ→48.4km/ ℓ
・車両重量:130kg→133kg
・テールランプのデザイン変更
3世代も前のセロー225WEユーザーである僕から見て、250は立派なツーリングバイクだとの認識がある。マウンテントレール、いわゆるトレッキングバイクとしてのコンセプトは継承しながらも、高速走行をはじめ、ロングツーリングでの快適性が250には備わっていたからだ。
重量が増えたことで、最早トレッキングバイクじゃない!との声も以前からの225ファンの一部からは出ていたけれど、250へとすっかり代替わりした現在は、いうなれば、トレッキングツアラーとしての地位を確立している。
じゃあ、新型セロー250のトレッキング性能はどうかというと、僕にはわからない。だいたい225のユーザーのくせに、道なき道を走ったことがない。年に数回、林道を走る程度で、街中の移動や郊外へのツーリングが主な用途だ。そんなにわかセロー乗りのような僕から新型に期待するのは、ツーリング性がどれだけ向上しているのかという点。
環境対応を図ったために車重は従来より3kg増加したが、一般的なツーリングユースの観点からすればたいした問題じゃない。それよりも僕が注目したのは、一段と低中速重視となったエンジンだ。最高出力、最大トルクとも高められたことももちろんありがたいが、日常的に使う低中回転域で力強さを増してくれたことは、扱いやすさに直結する。実際に走ったわけじゃないのでたしかなことはいえないが、おそらく加速性能もよくなっているはずである。高速道路で本線に進入する、急な上り坂を加速しながら走るといった、ツーリングでよく出くわす状況で頼もしさを増したのではないかと想像する。
さらにもうひとつ、あくまでもデータ上でのことだが、燃費が従来の40km/ℓから48.4km/ℓへと大幅に良くなっていることだ。燃料タンク容量は0.3ℓ少なくなったのだが、これだけ低燃費化が実現しているならまったく問題ない。いや、むしろ航続距離は長くなっているのだからうれしいじゃないか。
こうしたことからも新型セロー250は従来よりツーリング性が高められているのは確実。野山を分け入っていくトレッキングよりも、高速道路を走り田舎道や峠道をたどるツーリングをすることが大半というセローの使い方からすれば、新型はよりユーザーフレンドリーなモデルになったと考えられる。
ん〜、新型セロー250で早くツーリングに行きたい!