REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
空冷単気筒エンジンを搭載していた往年のスクランブラーは250、350、450の3機種が揃えられていたが、それにならって現代のスクランブラーも400、800、1100の3機種をラインナップするに至ったという。 搭載エンジンはいずれも同社を象徴する横置きL型の空冷ツイン。トップモデルの1100は、ボア・ストロークが98×71.5mmというショートストロークタイプの1079㏄2バルブのデスモドュエ・エンジン。 φ55mmのフル・ライド・バイ・ワイヤ・スロットルボディと二つのサブバタフライ・インジェクターを備え、最新のスクランブラー専用チューニングが施されている。エアクリーナー容量を大きくデザインされ、広範囲でスムーズな出力特性を発揮すると言う。最高出力は86ps/7500rpmを、最大トルクは9kg・m/4750rpmを発揮する。
外観デザインもスクランブラーらしに加えて一段と逞しいイメージ。メーターデザイン等斬新なアイテムの投入も忘れていない。 ネイキッドスポーツの中でもちょっとワイルドな雰囲気とツーリングに活用する現実的なシーンで極めて実用的である機能性に加えてズ太いハイパフォーマンスは大いに魅力的であると思えた。 400や800のオーナーも大きなスクランブラーに興味津々になれる逸材であることは間違いないだろう。 ちなみに今回のプレス発表会(7月6日開催)は、この6月にオープンしたばかりのホテルを使用。多摩川を隔てて羽田空港の対岸に位置する川崎のThe WAREHOUSというオシャレな会場だった。夕刻からのプレスブリーフィング後は、スクランブラーのユーザーが続々と詰めかけ1100のデビュー記念イベントに。 ドゥカティに限らないが、外車のオーナーになると、こうした特別企画のイベントに出会う機会が多いと思う。バイクその物の出来で勝負することはもちろんだが、オーナーとなった人に対してブランド力を徹底的に訴求し、そのブランドを大いに堪能してもらう。そしてさらに多くの価値を楽しんでもらおうとするメーカー姿勢が伝わってくることが多い。 つまりオーナーは惚れたバイクに乗って喜びさらには仲間と集うオシャレな機会に恵まれるなど、自分のお眼鏡が間違いで無かった満足感を得て、そのトータルでの価値を楽しむことができるのである。