穴を穿った部材に中空部材を差し込む。その中空部材の中に弾性体を挿入し圧縮、すると中空部材の径が広がり穿孔部材と機械的に接合するのだという。本当にそんなんでくっつくんですかというのが正直な感想だったが、どうやらきちんと接合しているらしい。
弾性体には、圧縮して寸法が変化しても体積が変わらないものを用いる。油圧と同じようなイメージですと担当者は教えてくれた。油圧と決定的に異なるのは中空部材に密封などのシーリングが一切要らないことだ。また、圧縮する方法にしても通常のプレスを用いればいい。施工時間が短い。さらにその弾性体も再利用が可能。何から何まで破天荒ながら実に理に叶った接合方法なのである。そして、異種素材接合も可能なのである。
もちろん、溶接に比べれば強度は落ちる。そこで、穿孔部材のほうにフランジを立てて、中空部材との接触面積を増やすことが試みられた。確かにそうすれば接合強度を上げることができる。さらに中空部材をセルに分けて複数回/場所で拡径することで強度を増やす方策も示されていた。では丸パイプの場合は回っちゃわないんですかと訊いてみた。もちろん人力程度では回るはずもないのだが、大きな力がかかればその限りではない。回ってほしくないなら、丸パイプではなくD断面などで回り止め構造とすればいい。
具体的な自動車用アプリケーションとしてバンパービームが展示されていて、なるほどこういう部位ならばRuBulgeが非常に有用だと納得した次第だ。