親指と人差し指の付け根という、ものを握るときに一番重要な部位をハンドルから離さずに操作できるのがステアリングスイッチの何よりいいところだ。とはいうものの、実際に操作ができるのは左右の親指だけであり、指の届く範囲内で操作が限られてしまうという悩みがある。
東海理化の展示していた表示切替スイッチは、そのステアリングスイッチを多機能化する提案だ。上の写真でご覧いただけるように、手元の照明スイッチを切り替えるとステアリングスイッチ上のアイコンが切り替わる。
ディスプレイの類ではなく、これは偏光フィルムを用いる技術。ふたつの光源と複数の偏光フィルムを組み合わせ、光の特性をコントロールすることで、表示するアイコンを切り替えることができる。これにより、同一位置での表示切替が可能になり、ひとつの装置にふたつの機能を持たせることが期待できる。
従来の偏光フィルム構造では光の波長をコントロールする関係から、いちばん長いもの(赤)といちばん短いもの(青)という組み合わせが一般的だった。今回のフィルムは偏光フィルムを縦方向/横方向として組み合わせ、光を透過/遮断する仕組み。よって、照明色の制約がなく、表示も鮮明にできるので細かいマークにも対応できるのが特長だ。
提案技術は、スイッチ表面のアイコンを切り替えられるというもの。しかしそれに機能の二重化を盛り込むのはソフトウェア側でそう難しい話ではない。サムスイッチながら多くの機能を実現できるかもしれないのだ。