しかし、サーキットを走る周回の業界ではそのマスターバックは必要ないとされていることが多い。えっ何故かって?それは一部のレースカーを除き、その殆どマスターバックが付いていないことが証明している。そう、パワステやエアコンまで装着しているレースカーが登場している昨今、何故この快適装備的なマスターバックは付いていないのだろうか?それは簡単に言うと「速く走るのに邪魔」だからだ。まぁレースカーは特別な存在だから別としても一般市販車を改造して走る世界でも、最初から取り付けられているこのマスターバックを外す人がいるほどだ。
では無いとどうしていいのだろうか?簡単に言うと「ブレーキの調整ができる」ということ。減速のためのブレーキ、姿勢変化をさせるためのブレーキの調整が倍力装置(マスターバック)が付いていると、その調整幅が狭くとても微妙で難しい(タイヤがロックしてしまったりする)。レーシングドライバーですら難しいというこのマスターバック付きのブレーキングと調整、素人が乗ったら…
もちろんデメリットもある。マスターバックが無くなったのだから、踏む力がとても必要になり、マスターバックが無い設定にパッドの材質やレバー比、マスターシリンダーサイズなど、ブレーキシステムを再構築する必要がある。しかし、決まればかなりのタイムアップが期待できる箇所である。しかし、全ての車種でコレが当てはまるかと言えばそうではなく、一部の車種(ABS付き)等はその機能とマスターバックを上手に利用した方がいい場合がある。
そんな効果やブレーキングの仕方などG-ワークスで連載している「木下みつひろのマシンセッティング」等で話していますので、もっと気になる人は是非読んでみて下さい。7月21日発売号ではこのことについて話していますよ♪