ズーマーカスタムに新たな一手。より無骨な姿に変身させる『フロントフレームキット』がソニッククラフティから発売。チョイスするメーターやスイッチ類などアイデア次第で独自のスタイルに仕上げることができる。


REPORT●佐藤恭央(SATO Yasuo) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

●フロントフレームキット……162,000円

手前左側のスティックレバーは前に倒すとセルスターター、後ろに倒すとホーンが鳴る。右手前の電流切替機を使ったスイッチはウインカー用だ。車体右側にあるメインスイッチは産業機械に使われている動力押和器。取り付けステーは加工・溶接して追加している。

 ご存じズーマーと言えば、パイプ部分がむき出しで構成されたフレームワークがポイント。そんなアイデンティティを存分に生かしたカスタムマシンをキャッチ! 製作したのはスクーターカスタムで知られるソニッククラフティだ。




このカスタム車を語る前にあらためてベースとなっているズーマーについて述べよう。ズーマーが登場したのは2001年。発売当初から感度の高いビルダー達が目をつけ、17年経った今でもスクーターの中で五指に入るほど人気のあるカスタムベース車となっている。なお、北米でもラックアスという名称で発売されていて現地でもコアなファンが多く、日本でもこの北米パーツを使ったUSDMカスタムが定番となっている。とにかく日米で多くのユーザーから愛される一台となっているのだ。

左右ステップはPS250用の純正ステップASSYを加工流用。ステップスルーではないが、幅広のフットプレートは足が置きやすい。

 さて、今回のカスタム車に話を戻そう。リヤ周りを見る限り確かにズーマーなのだが、フロント側にもリヤと同じシートフレームが装着されている!? ソニッククラフティ代表の木下さんによると「前後のメンバーが分割できるズーマーフレームの特徴を活かしたシンメトリックな形状を思いつきました。乗る時に“あれ!? どっちが前だっけ?”って迷ったらおもしろいかなって」。確かに、ハンドルやヘッドライトがなければ後ろ向きに跨ってしまうかもしれない(笑)。


また、工事現場や炭鉱などで運用される重機的なスタイリングを目指し、各パーツにもそのイメージを高めるものを投入している。タイヤは純正でもファットなブロックパターンを履いているが、こちらは耕耘機用のオーツタイヤ(現ファルケン)製4.50-10サイズを装着してオフイメージを強調! 見た目のインパクトと悪路での走破性を向上させている。さらに、フロントセクション内に収められたメーターパネルにはブルドーザーのようなスティックレバーを備え、電圧計や電流計、さらに右側にはオン/オフスイッチとして“動力押和器”という工業製品を転用するなど、ユニークな造りがそこかしこに見られる。




 この斬新なアプローチは、近年、画一的になりがちだったズーマーカスタムに一石を投じた、新しい『インダストリアル系スタイル』なのだ。ちなみにこの『フロントフレームキット』は製品化(162,000円・受注生産・納期30日)している。タンクやバッテリー、補機類などはユーザーが工夫して取り付けるようになっているので興味がある人はショップに相談してみるのも手だ。

取材協力:ソニッククラフティ
千葉県八街市八街は97-117


TEL:043-305-5123
情報提供元: MotorFan
記事名:「 ズーマーを工業系スタイルに! キットパーツ登場で自分で作れる/ホンダ