今回、この材料が「GEL-KAYANO 25」のミッドソール部材の原材料の一部に採用され、世界規模で販売されるCNF適用シューズとして世界初の商品発売となったわけだ。
GEL-KAYANOシリーズは、25年に渡り世界のランナーから注目され、愛され続けてきたランニングシューズだ。「GEL-KAYANO 25」のミッドソールには、軽量性とクッション性を兼ね備えた発泡素材「FlyteFoam Lyte」が使われており、この原材料の一部にCNF複合材料「STARCEL」が採用されたものだ。
NEDOは、これまでCNF補強の樹脂材料とその製造プロセスの開発を行う研究開発テーマを実施してきた。具体的には、京都大学を主体とする産学連携グループが、CNF補強の樹脂材料の開発と、木材パルプに化学処理を施した変性セルロースをポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの樹脂と混練し、同時にナノ解繊する製造プロセス(京都プロセス)の開発に取り組んだ。この研究開発の成果をもとに、星光PMCは独自に改良を重ね、CNF複合材料の製品化に成功し、「STARCEL」として、2018年1月から商業生産を開始している。